ホラー映画と言えば、幽霊・ゾンビ・悪魔・怪物・エイリアン、様々なジャンルがありますが、いちばんリアリティがあって身の毛もよだつのがサイコホラーではないでしょうか。今回は、人間の狂気にゾッとする、おすすめサイコホラー映画を一挙ご紹介します。どれも見逃せないトラウマ級の衝撃作となっているので、まだ観ていない方は是非心理的恐怖を体験してみて下さい!
サイコホラーとは
サイコホラーとは、サイコロジカル(心理的)・ホラーの略で、理性を失った人間やサイコパスを描いた作品のことです。
怖いお化けや未知のモンスターではなく、”人間の狂気”が描かれおり、じわじわと怖さを感じる「心理的恐怖」に重点をおいています。本当に怖いのは、架空の化け物ではなく実在する人間…、それを実感させてくれるのがサイコホラーです。
人間が怖いサイコホラー映画おすすめ18選
それでは早速、サイコホラー映画のおすすめ作品をご紹介していきます。数ある作品の中から、「本当に怖い!」「ゾッとして鳥肌が立つ」と評判の18作品を厳選しました。まだ観ていない作品があれば、是非この機会に鑑賞してみて下さい。
サイコホラー映画①羊たちの沈黙
『羊たちの沈黙』は、1991年に公開されたアメリカのサイコスリラー映画です。アカデミー賞主要5部門独占受賞し、映画史に刻まれるサイコ・スリラーの金字塔として、今もなお語り継がれています。
ジョディフォスター演じるクラリスと、猟奇殺人犯で元精神科医レクター博士との心理的攻防戦に、多くの方が釘付けになりました。
羊たちの沈黙のあらすじ
https://www.youtube.com/watch?v=veK1PCTtesw
アメリカのカンザスシティをはじめとした各地で、若い女性が殺され、皮膚を剝がされ川に捨てられるという猟奇的な連続殺人事件が発生しました。事件解明のためFBIの女性訓練生のクラリスがある任務を任されます。
彼女に与えられた任務は、9人の患者を惨殺して食べた獄中の天才精神科医レクター博士に協力を求め、心理的な面から犯人に迫ることでした。息詰まる心理戦の果てに導き出された答えとは…。
サイコホラー映画②ソウ
『SAW(ソウ)』は、2004年に公開されたアメリカのホラー映画です。猟奇殺人鬼“ジグソウ”が命を粗末にする者に残虐な”死のゲーム”を行わせるサイコスリラーで、密室で足を鎖でつながれた2人の男が直面する究極の選択と苦悩が描かれています。
衝撃的なストーリー展開は高い評価を受けシリーズ化され、全9本制作されています。思わず目を背けたくなる残酷なシーンや予想がつかないストーリー展開は、ホラーファン必見です。
ソウのあらすじ
老朽化したバスルームで目覚めた2人の男、ゴードンとアダム。 足は鎖でつながれ、2人の間には自殺死体が…。2人に与えられたのは、テープレコーダー・一発の弾・タバコ2本・着信用携帯電話・2本のノコギリでした。
そして「6時間以内に相手を殺すか、自分が死ぬか」とメッセージが告げられます。それは、猟奇殺人鬼“ジグソウ”による命の大切さをわからせるための死のゲームでした。果たして2人の運命はいかに?!
サイコホラー映画③es
『es(エス)』は、2002年に公開されたドイツのサイコスリラー映画です。アメリカの大学で実際に行われた実験を題材に描いたスリリングなストーリーで、権力に溺れていく看守の心理が気持ち悪く描かれています。人間ほど怖いものはないのだと痛感できる作品です。
esのあらすじ
「被験者求む」という新聞広告を見つけた、タクシー運転手のタレク。報酬は高額で、刑務所内での看守と囚人の深層心理を調べる実験でした。内容は、被験者を看守役と囚人役に振り分け、模擬刑務所内でそれぞれの役割を演じながら生活するというものです。
タレクは囚人役に割り当てられました。最初は和やかな雰囲気でスタートした実験ですが、看守役の人々は支配的・攻撃的な振る舞いをエスカレートさせ、反抗していた囚人役の人々も次第に抵抗できなくなり、実験は思わぬ方向へと展開していきます。
サイコホラー映画④サイコ
『サイコ』は、多くの名作を映画史に残したアルフレッド・ヒッチコック監督の代表作で、1960年に制作されたアメリカ映画です。
モーテルの隣に住む殺人鬼を描いたサイコサスペンスで、あまりにも殺人シーンが残虐な為全編モノクロで描かれています。“サイコ”という言葉が有名になった原点とも言える作品です。
サイコのあらすじ
不動産屋に勤めるマリオンは、ふとした出来心で会社のお金4万ドルを盗み、車で逃亡。 夜になって降り出した豪雨を避けるべく、偶然見つけたサビれたモーテルに宿泊します。。モーテルの主人はノーマンという青年で、隣の一軒家で母親と暮らしていました。
応接室で実直で親切なノーマンと話しているうちに自分の過ちに気づいたマリオンは、街に戻ってやり直す決意をします。部屋でシャワーを浴びていると、カーテンの奥から何者かの影が近づき…!?本当の恐怖はここから始まるのでした。
サイコホラー映画⑤ファニーゲーム(1997年)
『ファニーゲーム』は、1997年のオーストリア映画で、日本では2001年10月に公開されました。あまりのショッキングかつ救いようのないストーリーに、カンヌ国際映画祭で出品された際には席を立つ人が続出したと言われています。一度観たら忘れられない恐ろしい作品です。
ファニーゲームのあらすじ
とある夏の日、休暇を利用してバカンスを楽しもうと湖のほとりの別荘に向かうショーバー一家。別荘に着き、台所で夕食の支度をする妻・アナの元に、ペーターという青年が訪ねてきます。
「卵を分けてくれないか」と言われ快く卵を渡すアナでしたが、突然ペーターはアナに好戦的な態度をとり始めます。そこへもう1人の青年パウルが現れ、さらにアナを挑発。この時から一家は、青年2人の操る“ファニーゲーム”の不運な参加者となっていたのでした。
サイコホラー映画⑥屋敷女
『屋敷女』は、2007年に公開され、凄絶な恐怖と戦慄を描いて話題となったR18指定のサイコスリラー映画です。フランス映画史上、最も哀しい狂気の物語と言われており、出産を間近に控えた妊婦が、謎の女殺人鬼に襲われるさまを過激な猟奇シーンと共に描かれています。
屋敷女のあらすじ
https://www.youtube.com/watch?v=_Y7cjH8lX1A
交通事故により自分とお腹の赤ちゃんは助かったものの、最愛の夫を亡くし虚脱状態のまま退院したサラ。クリスマスイブの夜、臨月の彼女の元に黒い服を着た長い髪の女が訪ねてきます。
家に入れるのを拒むと女は激怒しハサミを凶器に家へと侵入、ものすごい形相でサラに襲いかかります。信じられない衝撃と理不尽な恐怖に包まれたサラに陣痛が…。サラの人生最悪の夜は、まだ始まったばかりでした。
サイコホラー映画⑦CURE
『CURE』は、1997年公開の日本映画です。猟奇的殺人事件の犯人を追う刑事の姿を描いたサイコ・サスペンスで、監督である黒沢清の名を一躍有名にした出世作でもあります。
効果的に入れられた映像ノイズや耳障りな環境音などが不快感と気持ち悪さを与えるなど、細部までこだわり抜かれた作品です。
CUREのあらすじ
娼婦が惨殺された事件が発生。被害者は首から胸にかけてX字型に切り裂かれおり、犯人は現場で逮捕されていました。刑事の高部は、同様の事件が相次いでいることもあり、友人の心理学者・佐久間に犯人の精神分析を依頼します。
しかし犯人には、事件を起こすだけの動機も手口も記憶もありませんでした。やがて高部は、加害者達が犯行直前に出会ったとされる男・間宮に辿り着き、事件に深く巻き込まれていきます。
サイコホラー映画⑧アメリカン・サイコ
『アメリカン・サイコ』は、衝撃的な内容で話題となったブレット・イーストン・エリスの小説を映画化した作品で、日本では2001年に公開されました。
1人の男が投資銀行で副社長を務める一方で快楽殺人を繰り返すストーリーで、人間が狂気に走って行くさまを客観的に描いたサイコ・ホラーです。
アメリカン・サイコのあらすじ
80年代のニューヨーク、一流企業の副社長パトリック・ベイトマンは、高級マンションに美しい婚約者、一見誰もが羨む生活を送っていました。しかし彼にはもう一つの顔があったのです。欲求を満たすために夜の街を彷徨い、ホームレスや娼婦を次々に殺害していたのでした…。
サイコホラー映画⑨シークレット・ウィンドウ
『シークレット・ウィンドウ』は、2004年に公開されたアメリカ映画です。ホラー小説界の帝王、スティーブン・キングの原作を、ジョニー・デップ主演で映画化したサイコ・スリラー作品となっています。
人気作家がある日突然盗作の容疑をかけられてしまうというストーリーで、キャッチコピーは“なぜ追われる、なぜ終われない”。映画を観れば、このキャッチコピーに意味が分かるでしょう。
シークレット・ウィンドウのあらすじ
売れっ子作家のモート・レイニーは、妻との離婚問題が原因でスランプに陥っていました。そんな時「自分の作品を盗まれた」と盗作を告げる謎の男ジョン・シューターが現れ、見覚えのないモートに付きまといます。
やがて、シューターの姿を見た者や正体を探る者が、次々と命を落としていきます。ただ1人モートを除いて…。男は一体何者なのか、本当の狙いは何なのか、そして予測不能な結末が…。
サイコホラー映画⑩シャイニング
『シャイニング』は、1980年に公開されたアメリカ映画です。スティーヴン・キングの小説を基に、雪に閉ざされたホテルで管理人一家を襲う悲劇が描かれており、主演のジャック・ニコルソンの狂気が凄まじいと話題になりました。今でも”世界最高峰のホラー映画”と称されています。
シャイニングのあらすじ
豪雪のため、冬の期間だけ閉鎖されるオーバールック・ホテル。かつてここでは、精神に異常をきたした管理人が一家を惨殺した挙句に自殺するという、痛ましい事件が起きていました。
そんないわくつきのホテルに、小説家志望のジャックが妻と息子と共に、管理人としてやってきます。超能力を持つ息子のダニーは、このホテルにただならぬ“邪悪さ”を感じていました。やがてこの一家に、かつてない恐怖が襲いかかります…。
サイコホラー映画⑪ミザリー
『ミザリー』は、1990年製作のアメリカ映画で、スティーヴン・キングの小説を原作としたサスペンスホラーです。事故を起こした有名作家を助けた女性が、次第にその狂気をあらわにし、作家を監禁してしまうストーリーで、血も凍るサイコ・スリラーの傑作とも言われています。
ミザリーのあらすじ
ベストセラー作家ポールは雪道で事故に遭い、瀕死の状態を元看護婦のアニーに命を救われます。アニーはポールの熱狂的なファンで、ポールを手厚く介護するのでした。
しかし、新作「ミザリーの娘」でヒロインが死んだことを知り逆上、アニーの言動は狂気を帯び始め、ポールに心理的・肉体的拷問を加え始めます。雪深い地で身動きが取れない状況の中、ポールは追い詰められていきます。
サイコホラー映画⑫オーディション
『オーディション』は、村上龍の同名小説を石橋凌主演で三池崇史監督が制作、1999年に公開されました。映画のオーディションにやってきた女性の中から再婚相手を探そうとした中年男性が辿る、恐怖の体験を描いたサイコ・ホラー作品です。
オーディションのあらすじ
https://www.youtube.com/watch?v=TgOqPSCxNTg
ビデオ制作会社を経営している青山は7年前に妻を亡くし、一人息子と寂しい日々を過ごしていました。そんなある日、青山の身の上を案じた友人の吉川は、映画制作と称したオーディションを開催し、その中から再婚相手を探せ提案を持ちかけます。
4,000通もの応募の中から選んだ女性、麻美に加速度的に魅了されていく青山ですが、彼女の愛は余りにも真っ直ぐで完全なものでした。少しずつ明らかになった麻美の素顔とは…?
サイコホラー映画⑬エスター
『エスター』は、2009年に公開されたアメリカのサイコ・サスペンス映画です。実子を流産で亡くしたことへのトラウマと謎めいた養女に苦しめられる夫婦の姿が描かれています。大どんでん返しのラストシーンでは、多くの観客を虜にしました。
エスターのあらすじ
3人目の子どもを流産で亡くしたケイトとジョンは悪夢とトラウマに苦しみ、夫婦関係も限界を迎えていました。以前の幸せな日々を取り戻そうと養子を取ることに決め、孤児院からエスターという少女を養女として迎え入れます。
しかしその日以来奇妙な出来事に遭遇、日に日にエスカレートするエスターの不気味な言動に、不安と恐怖を覚え始めます。
サイコホラー映画⑭凶悪
『凶悪』は、2013年に公開された、ノンフィクションベストセラー小説「凶悪 -ある死刑囚の告発-」を原作としたサスペンス映画です。
1人の雑誌記者が、凶悪殺人事件の真の首謀者の存在を世に暴くべく、事件にのめり込んでいくさまを描いています。山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキーほ主要キャストに迎え、2013年の賞レースを席巻しました。
凶悪のあらすじ
取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が死刑判決を受けた事件の他に、3つの殺人に関与しており、そのすべてに「先生」と呼ばれる首謀者がいるという告白を受けます。
「先生」はまだ捕まっていないことを訴える須藤は、その存在を記事にして世に暴くよう依頼してきます。藤井は須藤の証言の裏付けを取るうちに事件にのめり込み、やがて恐るべき凶悪事件の真相が明らかになり…。
サイコホラー映画⑮ホステル
『ホステル』は、2006年公開のクエンティン・タランティーノが製作総指揮を務めたホラー&スプラッター映画です。異国の地でおぞましい犯罪に巻き込まれた若者たちの運命を、衝撃的な拷問シーンと共に描いており、監督の依頼でちらりと登場する三池崇史監督の姿も必見です。
ホステルのあらすじ
https://www.youtube.com/watch?v=9nS-JNncZlY
アメリカ人大学生のジョッシュとパクストンは、バックパッカーをしながらヨーロッパ各地を旅していました。2人は、とある田舎町に男が求める快楽を満たしてくれる夢のようなホステルがあるという噂を耳にします。
早速、途中で仲間になったオリーと3人でホステルに向かいます。ホステルでは期待以上の夢心地のひと時を過ごしますが、やがて想像を絶する恐怖と直面することに…。
サイコホラー映画⑯悪の教典
『悪の教典』は2012年公開の、ミステリー界を震撼させた小説、貴志祐介の問題作を映画化した作品です。伊藤英明が演じる目的の為ならば殺人もいとわない教師の姿が描かれており、容赦のない殺害シーンは観る人全てを絶望と恐怖に追い込みました。
悪の教典のあらすじ
ハスミンというニックネームで呼ばれ、生徒や保護者達から圧倒的な人気と支持を集める高校教師・蓮実聖司。しかし真の姿は、他人への共感や良心を持たず平然と人を殺す反社会性人格障害者だったのです。
しかし、些細なミスから自身の凶行が知られそうになってしまいます。それを隠そうと悩んだ彼が導き出した答えは、クラスの生徒全員を殺すことでした。
サイコホラー映画⑰ムカデ人間
『ムカデ人間』は、2010年に公開されたトム・シックス監督作のホラー映画です。シャム双生児分離手術の専門医が、逆に人間を結合させて「ムカデ」を作るという野望を叶える異色ホラーで、過激であまりにもインモラルな内容から大きな話題を呼びました。
ムカデ人間のあらすじ
ヨーロッパを旅行中、ドイツの森の中で立ち往生してしまった2人のアメリカ人女性が、助けを求めて一軒の邸宅に辿り着きます。家の主は、シャム双生児分離手術のエキスパートでもあるハイターという外科医でした。
翌朝、目を覚ました2人は病室のベッドの上におり、隣には同じように日本人男性が寝かされています。ハイターの夢は、人間同士をつなぎ合わせた生命体、通称”人間ムカデ”を作ること…。ハイターはこの3人の体を使って、自身の野望を実現しようとします。
サイコホラー映画⑱ヘレディタリー/継承
『ヘレディタリー/継承』は、2018年公開のアメリカ映画です。祖母の死後、残された家族が想像を絶する恐怖に次々と襲われる姿を描くホラー映画で、低予算ながら異例のヒットを記録し、「現代ホラーの頂点」「新世代の”エクソシスト”」と絶賛されました。
ヘレディタリー/継承のあらすじ
グラハム家の祖母エレンが亡くなり、娘のアニーは夫・息子・娘と共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとします。自分たちがエレンから忌まわしい“何か”を受け継いでいたことに気づかぬまま…。
やがて家の中で様々な怪奇現象が頻発、さらに祖母に溺愛されていた娘のチャーリーは、まるで狂ったかのように異常な行動をエスカレートさせていきます。そして想像を絶する恐怖が一家を襲うことに…。“受け継いだら死ぬ”祖母が家族に遺したものとは?
ぞっとするサイコホラー映画を楽しもう
身の毛もよだつゾッとするおすすめサイコホラー映画をご紹介しました。どれも人間の怖さ、狂気を描いた作品で、よい具合に心理的恐怖に陥れてくれるでしょう。
同じ人間が与える恐怖だからこそ、リアリティがあり、より怖さを感じることができるのではないでしょうか。手汗にぎるストーリーを是非ご自身で味わってみて下さい!