衣類や小物類などに装飾されていることの多い便利なファスナーですが、長年使っていたり古くなっていたりすると滑りが悪くなってしまうことが多々あります。今回はそんな困った時に役立ってくれる解決アイテムをご紹介していきます。
お手持ちの洋服やバッグなどについたファスナーの滑りが悪くなって困っている方必見です。是非最後まで読んで参考にしてみてください。
目次
ファスナーやチャックの構造はどうなってる?
ファスナーの滑りを良くする方法をご紹介する前にまずはファスナーの一般的な構造について見直しておきましょう。ファスナーは場合によってはチャックと呼ばれることもありますが、実態はほとんど同じです。ここではファスナー・チャックの仕組みについてご紹介します。
ファスナーは主にスライダー・エレメント・テープ・止め金の4つの部品から作られています。スライダーとはファスナーを開け閉めする際に指に引っ掛けて引っ張る取っ手のような部分です。ファスナーやチャックによって様々な形・大きさがあります。
エレメントはファスナーの開閉部分のことを指します。より具体的に分かりやすく言うと、歯車のようにギザギザになって噛み合っているパーツのことです。このエレメント部分にスライダーを引っ掛けることで、ファスナーが開いたり閉まったりする仕組みとなっています。
テープはエレメントの周りの部分でファスナーと衣類やバッグなどの生地をつなぐ役割を果たしています。止め金は字のごとくスライダーが取れないようにファスナーの両端についているストッパーのような役割のパーツです。
ファスナーの滑りが悪い原因
ファスナーの滑りが悪くなってしまうのにはいくつかの理由が存在します。今回はその中でも特によく見られる原因2つをピックアップしてご紹介しましょう。ご自身の持ち物が当てはまっていないかチェックしてみてください。
滑りが悪い原因①衣類を挟んでいる
勢いよくファスナーを開け閉めする際に起こりやすいのが、サイドの生地を挟んでしまっている場合です。スライダーとエレメントの中に生地が巻き込まれてしまうことで、ファスナーの滑りが悪くなることがあります。
このような場合は生地を軽く引っ張りながら反対方向にスライダーを動かしてみましょう。ただし、強く引っ張りすぎたり力づくで無理矢理スライダーを動かそうとすると、ファスナーが壊れたり生地が痛んだりする恐れがあるので注意してください。
滑りが悪い原因②エレメントの油分が不足している
エレメント部分の油分が不足してしまった場合も、ファスナーの滑りが悪くなる傾向にあります。もともとファスナーには適度な油分が付いており、この油分が円滑にファスナーを開け閉めする際の潤滑油として機能してくれているのです。
しようし続けるに連れてこの油分は次第になくなってしまうので、長く使い続けているものほど油分不足に陥りファスナーの滑りが悪くなってしまいます。
滑りが悪いファスナーを直す方法
ファスナーの滑りが悪くなってしまって困っていても大丈夫です。ファスナーの滑りの悪さは非常に簡単に直すことができます。今回は身の回りにあるものを使った簡単な改善方法をいくつかご紹介していきましょう。
滑りが悪いファスナーの直し方①ろうそくを塗る
ファスナーの滑りが悪い場合は、家にあるロウソク潤滑油代わりに利用してみるのがおすすめです。ロウソクの種類はなんでもOKなので、自宅に残っているものを使って簡単にファスナーの滑りを改善することができます。
滑りが悪いエレメントとスライダーの部分に軽く擦り付けたあと、さらに歯ブラシなどで丁寧に磨いてあげるとより滑らかに仕上がります。
滑りが悪いファスナーの直し方②シリコンスプレーを使う
シリコンスプレーを潤滑油として利用するのも方法の1つです。シリコンスプレーとはシリコンオイルを配合したスプレーのことで主にホームセンターなどで取り扱われています。潤滑効果の他にも防水効果や撥水効果などに優れているのが特徴です。
ファスナーのエレメント部分にサッと一拭きするだけで見違えるようになめらかな滑りを取り戻してくれます。ただしスプレーによっては人体にあまりよくない成分が入っている場合もあるため、使用する際は換気のいい場所を選びましょう。
また、フローリングの床の上で使用すると床が滑りやすくなって危険なため、その点に関しても注意してください。
滑りが悪いファスナーの直し方③石鹸を塗る
ロウソクやシリコンスプレーがない場合は、どんな家にも常備してある普通の家庭用石鹸を利用するのもおすすめです。石鹸を使う際は削ったりとかしたりせずに、固形タイプのものをそのまま利用します。
石鹸の使い方もロウソクとほとんど同じで、ファスナーのエレメント部分とスライダー部分に軽く擦り付けるだけでOK。より滑りを良くしたい場合はこちらも同じく歯ブラシで丁寧に磨いてあげましょう。
滑りが悪いファスナーの直し方④ワセリンを塗る
ワセリンがご家庭に常備されている場合は、こちらを使ってみても良いでしょう。ワセリンは油分を主成分としているクリームなので、潤滑油の代わりとして十分に利用することが可能です。
綿棒にワセリンをしっかり染み込ませ、それをそのままエレメントの部分に直接塗り広げていきます。ワセリンは石鹸やロウソクに比べて油分が多いので、塗りすぎには十分注意してください。塗りすぎてしまうとファスナーやその周囲が油でベトベトになってしまいます。
滑りが悪いファスナーの直し方⑤お酢を塗る
これまでにご紹介した方法はどれもファスナー部分の油分がなくなってしまった時に役立つ方法でしたが、続いてご紹介するのはファスナーの金属部分がさび付いて動かしにくくなってしまった時に役立つ方法です。
金具が錆びついてファスナーの滑りが悪くなっている場合は、ご家庭にあるお酢を利用してみてください。お酢に含まれている酢酸という成分は、錆の元になっている酸化鉄を鉄イオンと酸素に分解する効果があると言われています。
したがってファスナー部分についてしまった錆もお酢を染み込ませることで、鉄イオンと酸素に分解されて綺麗に取り除くことができるのです。使用するお酢は穀物酢・米酢どちらでも可能となっています。
滑りが悪いファスナーの直し方⑥鉛筆でこする
ファスナーの滑りが悪い時に使える意外な方法の1つとして挙げられるのが、最後にご紹介する鉛筆を使用した方法です。驚かれる方も多いかもしれませんが、実は身近な鉛筆にも潤滑油としての効果が期待できます。
鉛筆の芯は主にこの黒鉛と粘土によって構成されていますが、この黒鉛と呼ばれる成分に潤滑性があるようです。特にBの数字が大きいものほど黒鉛の比率も高いと言われているので、潤滑油として使用する場合にはB以上の鉛筆を使うのがおすすめです。
ファスナーの滑りが悪くなるのを防ぐには?
ファスナーの滑りが悪くなってしまうのを事前に防ぐために実用できる方法には主に2つあります。今回は今からでもすぐにできるファスナーの状態をより長持ちさせるための予防法をご紹介していきます。是非参考にしてください。
正しく洗濯する
ホコリが溜まったり錆の原因になるような汚れがついたりするのを防ぐためにも、日頃から正しい方法で洗濯しておくようにしましょう。洗う際はファスナーや周囲のパーツを傷つけることがないよう、しっかり洗濯用のネットに入れて洗います。
ファスナー部分はしっかり閉めた状態で洗ってください。ボタンやポッケなどがある場合はそこも水や洗剤が入らないようにきちんと閉じておきましょう。
ただし洗濯の頻度が高すぎるとファスナー部分の油分が早く無くなってしまう原因にもなるので、その点は十分注意しておきましょう。
湿気に注意する
ファスナーにとって湿気は天敵と言っても過言ではありません。湿気が多い場所にずっと放置しておくとエレメント部分の油分が減り、ファスナーの滑りが悪くなりやすいです。
保管場所はできるだけ風通しがよく、湿気がこもらない場所にしましょう。また腫れている日には天日干しをするのも湿気を取り除くのに効果的です。
身近なものでファスナーの滑りを良くしよう
いかがでしたか?今回はファスナーの滑りが悪くなってしまった際に役立つおすすめのお直し方法をご紹介させていただきました。参考になったでしょうか?
衣服やバッグなど身の回りの様々なアイテムに装飾されている便利なファスナーやチャックですが、滑りが悪くなったり錆ができてしまうと非常に扱いづらい面も持ち合わせています。開け閉めが難しくなった際は今回ご紹介した方法を使って、簡単にファスナーのお直しをしてみてください。
またより良い状態のファスナーを維持するためにも、日頃からしっかりお手入れをして清潔かつ丁寧に扱うことを意識しておきましょう。