韓国発のホラー映画には、隠された名作がたくさんあります。この記事では、近年注目度の高まっている韓国のホラー映画作品の中から、特におすすめのムービーをご紹介します。ホラー映画初心者の方から玄人の方まで、気になる作品がきっと見つかるはずです。次に視聴する面白いホラー映画をお探しの方は、是非参考にしてください。
韓国のホラー映画の特徴とは?
韓国ホラーの根源にあると言われるのは、”恨(ハン)”と言われる恨みの感情です。これには、恨みの他にも怒り、悔しさ、悲しみなども含まれており、いずれもマイナスな感情です。これらが複雑に混ざり合うことで、人間の怖さに繋がっているのです。
一方、欧米で主流のホラー映画では、殺人鬼が暴れるスプラッターものが多く見られます。これと韓国のホラー映画は、その性質を全く異にしていると言えるでしょう。韓国の作品は、“様々な恐怖の中で最も怖いのは人間である”と思わせるようなプロットのものが大半です。
近年の作品を振り返ると、ゾンビの出てくるようなパニックホラーから、猟奇殺人を題材にしたもの、他には日本特有の田舎の怖さを描いた作品に通ずるようなものも作成されています。これらの作品は日本でも人気が高く、これからの韓国のホラー映画業界にも期待が寄せられています。
やばいくらい怖い韓国ホラー映画おすすめ10選
早速、韓国のホラー映画の中でも特におすすめの作品をご紹介します。新進気鋭の監督作品から、古き良き名作まで…。韓国ホラー映画を鑑賞するのは初めての方はもちろん、これまでに何作品か試聴したことのある方にも楽しんでいただける選出内容です。
韓国ホラー映画①箪笥
韓国ホラー映画の代名詞とも言える、「箪笥」です。この作品には、随所にJホラーの要素が見受けられます。「リング」や「呪怨」から影響を受けていると見られ、邦ホラーの好きな方には特におすすめです。
日本のホラーの要素を取り入れつつも、舞台は古い洋風の家であり、新しい要素も組み込まれています。全体的に赤っぽい画面から青の色調へと転換する場面など、映像の美しさにも注目したい作品です。
分かりやすいだけのホラー映画とは違い、伏線が繋がることで新しい事実が露呈したりと、意外性も十分に含まれています。
韓国ホラー映画②コンジアム
韓国ホラー映画界で歴代2位を記録した、「コンジアム」です。実在する心霊スポットを題材にした映画であり、リアリティは抜群です。2012年度のCDD「世界七大禁断の地」に選ばれた韓国最恐と名高い撮影スポットは、国内では有名な地です。
広州市にあるコンジアム(昆池岩)精神病院から生放送をしようと訪れたYouTuberが、様々な怪奇現象に見舞われて…という内容で、現代らしい視点から撮影された新しいホラー映画とも言えます。
アクションカメラを用いることによる圧倒的な臨場感や、俳優達のリアリティあふれる演技が見どころです。韓国国内では、その余りの恐ろしさに「#コンジアム全然怖くない」というハッシュタグが流行るほどでした。
韓国ホラー映画③新感染 ファイナル・エクスプレス
大人気の俳優、マ・ドンソクが出演したことでも話題になった、「新感染ファイナル・エクスプレス」です。「イカゲーム」に出演したコン・ユが主演を務めたことでも知られ、俳優陣が豪華であるという点でも映画ファン必見の作品です。
内容はゾンビパニックムービーで、走行中の列車を舞台にしています。ありえない速さで襲ってくるゾンビ達から、乗客が逃げ続けるという内容ですが、描かれる人間模様がリアルで飽きが来ません。最初から最後まで行き着く暇もなく楽しめるパニックホラーです。
韓国ホラー映画④哭声
「チェイサー」「哀しき獣」など、様々なヒット作を生み出したナ・ホンジン監督の手がける「哭声」です。サスペンスホラーというだけあって、プロットがしっかりしているので普段はホラー映画を好んで視聴しないという方でも楽しめるでしょう。
舞台は都会から外れた村で、そこで起こる猟奇的事件が題材です。主人公である警官のジョングが、その事件に巻き込まれていき…という内容で、グロテスクなシーンが要所に見られます。
そしてこの作品にはなんと、日本人俳優の國村隼さんが出演されています。日本国内の作品ではまず起用されないであろう役柄を演じる國村さんが見られるという点で、邦画好きの方におすすめな作品です。洋画とも邦画とも違う、新しい独特のホラー映画を見たい方は必見です。
韓国ホラー映画⑤ザ・コール
タイムリープの設定が斬新なホラー映画、「ザ・コール」です。過去と現在、二つの時間に生きる2人の女性を一本の古い電話が繋ぐという、面白い設定の作品です。除霊シーンや謎の地下室など、韓国ホラーファンなら心ときめくこと間違いなしなシーンがてんこ盛りです。
2011年に作成された、イギリス・プエルトリコが合同で手がけた映画「恐怖ノ黒電話」を原案にした作品で、韓国国内で注目の高まる新進気鋭の監督、イ・チュンヒョンが長編初監督・脚本を手がけています。
ミステリーが好きな方にも楽しんでいただける作品なので、ただ怖いだけのホラーが苦手な方も是非一度視聴してみてください。
韓国ホラー映画⑥プリースト 悪魔を葬る者
韓国版エクソシストと名高い「プリースト 悪魔を葬る者」です。見どころは悪魔祓いのシーンで、まるで現実に起きたことをそのまま映像化したかのようなリアリティあふれる場面に仕上がっています。
悪魔に取り憑かれた女子高生の演技は必見で、話し方や表情はもちろん、本人が全て演じたという外国語も見どころです。悪魔祓いをする神父と補助司祭の2人は、果たして彼女を助けることができるのか…。ホラーサスペンス好きの方におすすめしたい作品です。
韓国ホラー映画⑦笛を吹く男
2015年公開のホラー映画、「笛を吹く男」です。「ハーメルンの笛吹き男」が題材となっており、韓国ホラーならではの人間に潜んでいる闇と狂気の垣間見られる作品です。舞台は終戦直後の韓国で、主人公と息子がソウルへと向かう途中、地図に載っていない山奥の村に足を踏み入れるところから始まります。
見知らぬ親子を見て怯えた様子を見せる村人たちは、独裁を振るう村長の支配下の元暮らしていました。村長は、近頃村を困らせている大量発生したネズミを駆除できたら息子の病を治すための大金を払うと約束します。
そこで主人公は笛を吹いてネズミを追い払いますが、それがきっかけで村の恐ろしい秘密に触れることとなるのでした。幽霊よりも人間が怖い、を地で行くような作品となっています。終戦直後の閉塞的な村という舞台設定もまた、この映画の湿っぽい怖さを引き立てています。
韓国ホラー映画⑧殺人漫画
独特な映像が見られるホラー映画、「殺人漫画」です。漫画と実写が融合したかのような撮影技法は、新しいホラー映画時代の幕開けを感じさせます。テンポがよくサクサクと場面展開が進むので、気軽に見られる一本をお探しの方にもおすすめです。
物語は惨殺死体が発見されるところから始まります。警察は自殺と判断しますが、亡くなったウェブ漫画の編集長は、死の直前に見ていたジユンの描いた漫画の内容と完全に一致する殺され方をしていました。担当刑事は他殺を疑いますが、ジユンは「自分は何の関係もない」と容疑を否定。
しかし、再びジユンの漫画と同じ死に方をした遺体が発見され…。という内容です。プロット自体が新しい発想なので、これまでにたくさんの韓国ホラー映画に触れてきた方でも新たな発見ができるでしょう。
韓国ホラー映画⑨ミッドナイトFM
ホラー映画初心者でも楽しめる作品、「ミッドナイトFM」です。主人公は病気の娘を持つ元テレビアナウンサー、ソニョン。彼女はDJを長らく務めてきた深夜ラジオ番組を降板するところでした。妹に娘を預けて収録をしていたところ、最中に脅迫電話がかかってきます。
その内容は、リクエスト通りの曲を流さなくては家族を殺すというもの。最初はイタズラ電話であると思い受け流していソニョンでしたが、どうやら本当に家族が人質に取られているらしいことが判明し、狼狽えます。そんな彼女に男はある要求を突きつけてくるのでした。
グロテスクなシーンが見られないので、スリラー初心者にもおすすめできる内容です。第一作目に鑑賞する韓国ホラーとしてぴったりでしょう。
韓国ホラー映画⑩霊-リョン-
ミステリーとホラーのバランスが抜群の作品、「霊-リョン-」です。主人公は記憶をなくしてしまった女子大生のジウォン。まるで実の兄のように慕っているジュノと学生生活を送っていました。そんなある日、ジウォンの前に高校時代の同級生と名乗る女性・ユジョンが現れます。
ユジョンから、友人であるウンソが亡くなったことを聞かされたジウォンは、それから次第に見えるはずのないものが見えるようになっていきます。そして数日後、ユジョンが溺死したことや、ウンソも同じ亡くなり方をしていたことを知らされます。
しかし奇妙なことに、2人はいずれも”水のない場所”で息を引き取っていたのです。怖さが十分であるのに加え、ストーリーそのものもしっかりと練られているので、ホラーとミステリー両方の要素を楽しみたい方にぴったりな内容です。
韓国のホラー映画の魅力にどっぷりハマろう
韓国のホラー映画は、その独特の湿っぽさからハマる人が後を絶ちません。普段は韓国ドラマを見ないという方でも、ホラー作品の魅力を知れば沼に嵌ってしまうこと間違いなしです。ここに紹介した映画の中には、初心者でも楽しめるライトなものから本格的な怖さを持つものまで、様々な作品が含まれています。
あらすじを見て気になる作品から見るのも良し、求める怖さの性質から判断するのも良し…。思い思いの方法で映画を選んで、韓国ホラーの世界観を堪能してみてください。
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