人生においての鉄則と言われる「正負の法則」ですが、正しく理解することでより良い人生を歩むことができます。この記事では正負の法則の正しい意味と、この法則をうまく活かして人生を幸せに生きるための方法をご紹介します。堅実に幸福な人生を送るために必要な正負の法則の考え方をマスターして、この先の日々に取り入れてみてください。
正負の法則とは
人生論において時々耳にする「正負の法則」という言葉ですが、これはどういった法則のことを指しているのでしょうか。まずは正負の法則について基本的な意味をまとめます。
良いことと悪いことは平等に訪れる
正負の法則に対して、「悪いことがあれば良いこともある」「良いことが続くと悪いことが起こる」といった解釈をしている方は多いようです。しかし、厳密にいうと「良いことが続くと悪いことが起きる」のではありません。
人生は「正」と「負」がバランスを保って成り立っています。両方あってこその人生なのです。天秤の右にかけるのが正だとしたら、左にかけるのが負であり、この二つの大きさが同じくらいでないと均衡が保てません。
つまり正負の法則とはバランスの法則であり、大きな幸せを得るにはそれだけ大きな負を払う必要があるということです。
「正負の法則」と「引き寄せの法則」は何が違う?
「正負の法則」では、良いことが起きるのか悪いことが起きるのかはわかりません。しかし「引き寄せの法則」では、自らが望む良いことを引き寄せることができます。自分自身で良い出来事を引き起こし、望むような結果を引き寄せられるのが「引き寄せの法則」なのです。
ですから、「引き寄せの法則」は良いことばかり引き寄せることができるという法則で、良いことを引き寄せた後に悪いことを引き寄せるというはありません。
正負の法則への対策方法
「人生は正負の法則によって成り立っている」と実感する方も多いでしょう。正負の法則に則って堅実に上手く生きていくにはどうすれば良いのでしょうか。この世が正負の法則によって成り立っていることを前提に、上手く生きるための方法をご紹介します。
対策①負の先払いをする
正負の法則に則って生きるなら、負の先払いをすることが大切です。特に「若い頃の努力、苦労」は必要と言えるでしょう。「若い頃の苦労は買ってでもしろ」という言葉があるように、負の先払いをすることは重要なことなのです。
若い頃に苦労をしても、体力も精神力も有り余っているのでなんとか乗り越えることができます。しかし、若い頃に楽をして年老いてから負を抱えることになると、その苦痛は若い頃の比になりません。
後で苦労するのが嫌なら、先に負を払っておきましょう。大変だと思えることでも率先して取り組むことで、それに伴う経験は自分の力となります。
そしていずれは自身の望むような仕事に就くことができるでしょう。辛いことや嫌なことがあっても、今は負を先払いする時期だからと思うことで、乗り越えることができるはずです。
対策②心のバランスを保つ
何事にもバランスがあるように、感情にもバランスがあります。嫌なことが続くと、世や人を憎み人生をかこつようなこともあるかもしれません。しかし、こうした考えは更なる不幸を引き起こします。
負の気持ちに偏りすぎても良いことはありません。バランスを取るために、明るく前向きな気持ちを忘れないようにしましょう。
対策③「負=幸福」と考える
捉え方によっては、正の出来事も負の出来事のように感じてしまうことがあります。例えば好きな人から振られたとして、それを許せないと感じ、相手を裏切り者と思って自己嫌悪に陥ってしまう方は多いでしょう。しかしこれでは、この出来事は負のままです。
落ち込むこと自体は仕方ありませんが、「もしかするとこの先より良い出会いがあって、それに向けて別れただけなのでは」と考えてみたり、「より素敵な相手と出会うための準備段階」だと考えることで、かなり前向きになれるでしょう。
また、失恋の痛みを知ったことで、他の人に優しくなれるという利点もあるでしょう。これだけ辛い思いをしたのだから、大きな幸せが訪れるはずだと思っていれば、正の出来事がやってくるでしょう。
対策④笑顔でいることを心がける
苦しいことがあってもなるべく笑顔でいることも、正負の法則をうまく生かすために必要なことです。精神状態と肉体の状態は表裏一体です。苦痛な表情をしていれば、気持ちはますます落ち込みます。
反対に口角を上げていれば、辛いことがあっても何だか晴れやかな気持ちになってくるでしょう。両腕を広げて顔を上げてみると、より元気が湧いてくることがわかるでしょう。こうして積極的に明るい姿勢を作ることで、負から正への切り替えがスムーズになります。
対策⑤不安な要素を取り除く
まだ起きていないことを心配するのが不安という気持ちです。しかし将来のことを考えて憂いても仕方がありません。
しかし、何もせずにいるというのはいけませんから、不安を感じそうになったら改善できる点を改善しましょう。日々少しの努力を続けるだけで、未来は明るく変わります。
対策⑥ポジティブな気持ちを持つ
何らかの悪いことが起きても、なるべくポジティブな気持ちを持つようにしましょう悪い出来事に心が支配された状態では、良いことも起こりづらくなってしまいます。
何かを与えられた時に「これだけしかない」と思うのと、「こんなにもある」と思うのとでは、同じ状況だったとしても全く違った状況に思われるでしょう。幸せは自分の心の持ち次第であるということもできるのです。
対策⑦「幸せが来る」と信じる
「天は自ら助くる者を助く」という言葉があるように、幸せになれると信じて努力を怠らなければ、良いことはやってきます。強く信じて努力することが大切なのです。不幸なことが起きると、心がそればかりに囚われて後ろ向きな気持ちになってしまうこともあるでしょう。
しかし、次は幸せなことが起きると信じて頑張り続けることで、幸せを感じられるような出来事はやってくるはずです。
正負の法則はなぜ訪れる?
ここまで説明してきた正負の法則ですが、そもそもどうして「正負の法則」の通りに、人生では均衡を保ちながら良いことが起きたり悪いことが起きたりするのでしょうか。ここからは、正負の法則が訪れる理由をご紹介します。
手に入れたものの代償はいつか支払う
誰しもが羨むような大金持ちや成功者など、側から見ると多大な幸せを感じているように見える人がいますが、そのような人は、実は人生の裏側であらゆるマイナスを抱えているものです。
成功の只中にある人が、一番大切な人を失ったり、莫大な富を築いた人が詐欺に遭ったりと、その例は枚挙にいとまがありません。何かを得るなら何かを失うことになりますし、代償もなしに成功を手中にし続けるということはできないものです。
例えば、多くの人からの注目を集めている人は、賞賛ばかりを浴びているように見えるかもしれませんが、必ずその注目の度合いに伴って敵意を持つ者が現れます。お金持ちになっても、それを目当てに寄ってくる人がいたり、従来の人間関係が破綻してしまうことがあります。
目に見えるものだけが全てではありませんから、羨ましいように見える人がいても、それを妬むということは無意味なのです。見えていないところで、成功者はそれ相応に負を抱えており、切実に悩んでいることでしょう。
成功している人の多くが悪いことを経験している
世間で成功している人や活躍している人は、そのほとんどが過去に憂き目にあっています。初めから恵まれた環境に生まれて、何一つ不自由ない人生を送ってきたのだろうと思える人でも、辛い過去をたくさん背負っていることがあるのです。
例えば、その著書で「正負の法則」について度々言及していたり、「正負の法則」という書籍を執筆されている美輪明宏さんは、幼い頃アメリカによって原子爆弾を投下された長崎の地に居合わせたことで、この世のものとは思えないほどの地獄を体験しています。
その後も単身上京して非常に苦労されていますし、何よりも自身の性の不一致による周囲からの差別や偏見の目に容赦なく晒されてきました。今でこそ「ジェンダーを超えた生き方の先駆け」と尊敬されていますが、その道を切り拓いた方だからこその苦労があったのです。
また容姿端麗に生まれても、それがきっかけで犯罪に巻き込まれたり、嫉妬の目を向けられて迫害されてしまうなど、あらゆる困難に見舞われるということは「美人薄命」という言葉が証明しています。
ですから、今どうしようもなく辛い目に遭っていたとしても、これから成功する可能性を秘めていると思えば気が楽になるのではないでしょうか。ただし、成功する人はただ辛い出来事を体験するだけではなく、努力を積み重ねてきたということは言うまでもありません。
正負の法則を理解して人生に活かしましょう!
正負の法則をしっかりと理解すれば、人生をより良く生きることができるでしょう。いつも頭の片隅に「正負の法則」を置いておいて、良いことが続いた時や気が緩んでしまいそうな時は、意識して努力を積み重ねるようにしてみてください。
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