恋愛にまつわる四文字熟語が多く存在することをご存じでしたか?直接的な表現とはまた違った雰囲気を持つ四文字熟語。言葉には歴史があるので、由来を知ることは愛しい人への想いを見つめ直すきっかけにもなります。この記事では、「片想い」や「両想い」などの関係性ごとに、恋愛にまつわる四文字熟語の意味や語源をご紹介いたします。大切な人へ愛情表現のお役に立てれば幸いです。
目次
気持ちが伝わる恋愛四字熟語と意味【片想い】
愛しい人を想い、場合によっては不安定にもなる「片想い」。そのような繊細で不安定な時期を形容する四文字熟語を見てみましょう。
片想いの恋愛四字熟語①昼想夜夢
昼想夜夢とは、「ちゅうそうやむ」と読みます。昼に思っていたことが夜に夢にまで見るという意味です。「ひるおもい、よるゆめむ」と訓読すると、その意味合いがわかりやすくなります。愛しい人のことが四六時中頭から離れないという状態であれば、それは昼想夜夢です。
片想いの恋愛四字熟語②一日千秋
一日千秋(いちじつせんしゅう)とは、たった1日顔を見ないだけなのに、まるで秋が1000回も訪れたかのように長く感じるという表現ができる四文字熟語です。中国の詩経の「一日三秋」が語源となってます。こちらも意味は同じですが、一日千秋は想いの深さをさらに強調する表現です。
片想いをしているときは、1人でいるとポジティブなこともネガティブなことも考えてしまいます。次から次にくる不安定な気分のせいで、体感時間は長くなるという経験はありませんか?
片想いの恋愛四字熟語③没分暁漢
没分暁漢とは「ぼつぶんぎょうかん」と読みます。没分暁漢とは、女性の想いに鈍感な男性という表現です。漢字をそれぞれみてみましょう。没は「無い」、分暁は「理解する」、漢は「おとこ」です。漢字の意味をそのまま並べると「理解のない男」と表すことができます。
単に気付いていないのか、それとも気付いていない素振りをしているのかは本人にしかわかりません。片想いの最中にある女性は没分暁漢な男性によって、さらに不安定になってしまいます。
片想いの恋愛四字熟語④愛屋及烏
愛屋及烏とは「あいおくきゅうう」と読みます。愛しい人への想いが大きすぎて、愛しい人が住む家の屋根に止まったカラスさえも好きになってしまうという表現です。
愛屋及烏は溺愛や盲目的な愛や、全てが愛しくて仕方ないという表現にもなります。そこまで愛しく思える人にはそうそう出逢えませんので、思われる相手は幸せ者でしょう。
気持ちが伝わる恋愛四字熟語と意味【両思い】
お互いを特別な存在と認め合った「両想い」。恋人への愛情表現で使える愛し合い・愛することを表現する四文字熟語をご紹介します。
両思いの恋愛四字熟語①落花流水
落花流水とは「らっかりゅうすい」と読みます。男女をそれぞれ散る花と流れる水に例える言葉です。散る花は、流れゆく水に乗って流されたいという願望があり、流れる水も散る花を乗せて流れていたい想いがあります。
「ずっと遠くへ流されても、ひと時も離れず一緒に居たい」という相思相愛の表現です。散る花と流れる水という美しい例えも、気持ちを表現する言葉として魅力に溢れています。
両思いの恋愛四字熟語②相思相愛
相思相愛とは「そうしそうあい」と読みます。相思はお互いに恋しく思い、「相愛」はお互いに愛し合うという意味を組み合わせて成り立っている四文字熟語です。比較的日常でも使われる人気の四文字熟語でもあります。
愛しい人と出逢ったうえに、さらに愛し合ってると状態を表す相思相愛。わかりやすく、ダイレクトな表現の四文字熟語です。
両思いの恋愛四字熟語③比翼連理
比翼連理(ひよくれんり)の「比翼」は架空の生き物であり、翼と目をそれぞれ一つずつ持ち、二羽一体となって飛行する雌雄の鳥です。「連理」とは、元々二本の木が繋がって一本になった「連理の木」を指しています。
中国の詩人「白居易」の詩「天に在りては願わくは比翼の鳥と作らん、地に在りては連理の枝と為らん(天の上では比翼の鳥になり、地の上では連理の枝になろう)」が語源です。離れられないほど仲睦まじい男女を表現しています。
両思いの恋愛四字熟語④愛月撤灯
愛月撤灯(あいげつてっとう)の「愛月」は月を愛で、「撤灯」は灯りを撤去するといった意味です。中国の詩人が、宴席で見た月がとても美しかったので、灯りを片付けさせたという故事に由来します。相手を大切にすること、あるいは激しい偏愛を表現するときに使われる四文字熟語です。
気持ちが伝わる恋愛四字熟語と意味【失恋】
長い人生のなかには、辛い失恋を経験することもあるかもしれません。ここでは、喪失感や悲しみを表す四文字熟語をご紹介します。
失恋の恋愛四字熟語①垂頭喪気
垂頭喪気(すいとうそうき)の「垂頭」は頭を垂れる、「喪気」は気力を失う人の動きを表しています。酷く落ち込んだ様子を表現する四文字熟語です。失恋で悲しさに囚われているときにはふさぎ込み、下を向いていることが多いでしょう。
そしてこの垂頭喪気は、恋愛以外でも落ち込んでいる場合に使用できる汎用性の高い言葉です。同じような意味を持つ四文字熟語に「灰心喪気(かいしんそうき)」もあります。
失恋の恋愛四字熟語②愛別離苦
生・老・病・死・怨憎会苦(おんぞうえく)・ 求不得苦(ぐふとくく)・ 五陰盛苦(ごおんじょうく)、ここに「愛別離苦(あいべつりく)」を合わせて八苦といいます。
八苦とは仏教の教えの一つであり、人生で避けて通ることのできない苦しみです。そのなかで愛別離苦は、愛する人と別れる苦しみを表現しています。ここでいう愛する人とは、恋人だけでなく親子や兄弟といった家族も含まれる意味合いです。
失恋の恋愛四字熟語③団雪之扇
団雪之扇(だんせつのおうぎ)は中国の故事に由来する四文字熟語です。漢の成帝からの寵愛を失った班婕妤(はんしょうよ)という女性が、帝に愛されなくなった自分を季節が過ぎて忘れられていく扇に例えています。団雪の扇は、雪のように白くて丸い形の扇です。
扇を必要とするのは暑い時期ですが寒い時期になると扇は使われません。そこから転じて、男性に愛されなくなった女性を表しています。
失恋の恋愛四字熟語④瓶墜簪折
瓶墜簪折(へいついしんせつ)は、別れて二度と会えない状態を表す四文字熟語です。「瓶」とはつるべ(井戸の水を汲み上げるための縄の付いた桶)、「簪」は玉のかんざしを表します。
瓶墜簪折で表すのは、井戸のつるべの縄が切れて井戸の底に落ち、さらに玉のかんざしが折れた状態です。転じて、壊れて元に戻らない状態を指します。
気持ちが伝わる恋愛四字熟語と意味【結婚】
「結婚」して夫婦となると、愛する人と一緒に過ごせるようになりますよね。ここでは、結婚した状態に使える四文字熟語を紹介します。
結婚の恋愛四字熟語①心願成就
心願成就(しんがんじょうじゅ)は、願えば思いは叶うといった意味を持つ四文字熟語です。「心願」は心の中で願い、「成就」は願うことを表現しています。
神社のお守りやお札に書かれていることもある言葉なので、ご存じの方も多いかもしれません。神仏に祈るほどに強い思いがお互い同じの夫婦ならば、結婚生活は幸福に満ち溢れたものになるでしょう。
結婚の恋愛四字熟語②前程万里
前程万里は、ぜんていばんりと読みます。将来に対して無限の可能性が広がっている様子を表す四文字熟語です。新婚夫婦だけでなく、新社会人や新入生へ送る言葉にも使われます。「前程」とはこの先の道のり、「万里」は非常に長い距離です。
人生を共に過ごすパートナーとなった二人。共に過ごす時間には困難に直面することもあるかもしれませんが、二人次第で様々な人生を切り開くことができます。
結婚の恋愛四字熟語③異体同心
異体同心は、いたいどうしんと読みます、仲の良い夫婦や親友に使われる四文字熟語です。言わなくても伝わるといった以心伝心と似た意味合いを持つ言葉となっています。一方で異体同心の「異体」は同一ではない体、「同心」は考えることや思いは同じという表現です。
言葉にしなくても伝わっている瞬間があるなら、それは二人の心が一つになっている状態かもしれません。周囲の人たちからも理想的な夫婦に映ることでしょう。
結婚の恋愛四字熟語④夫唱婦随
夫唱婦随は、ふしょうふずいと読む四文字熟語です。「夫唱」は夫が言ったこと、「婦随」は妻が従うことを指します。中国の故事が語源ですが、当時は女性は男性に従うべきである、女性が男性に従えば夫婦円満であるという考え方が一般的でした。
現代では、男性が女性に従えば夫婦円満というパターンも多くみられますので、単に夫婦仲が非常に良いことを指す四字熟語です。どちらかと言えば結婚歴が長い夫婦に対して使われる言葉です。
恋愛四字熟語で愛の言葉を伝えよう
この記事では、恋愛にまつわる四文字熟語をご紹介いたしました。漢字が並ぶものが多いことから、歴史を感じる言葉も多数ありました。時代が変わっても、人間が恋や愛について多く考える機会が多いことを表しています。
普段は照れくさくて言えない愛しい人への想いも、四文字熟語を使えば伝える事も出来るかもしれません。正面から愛情表現をする事ももちろん素敵です。
しかし、どうしても照れてしまう方はぜひ四文字熟語を活用してみましょう!今回紹介した四文字熟語があなたやあなたの愛しい人のお役に立つことができましたら、幸いです。