腕時計といえば外側に付けるのが主流となっていますが、たまに内側に付ける女性もいます。女性の腕時計の付け方として正しいのはどちらなのか、与える印象はどちらのほうがいいのかなど、詳しく解説していきますので、疑問に思っていた方はぜひ参考にしてみてください。
目次
女性が腕時計を内側に付ける理由とは?
女性が腕時計を内側に付けるのは、日本に古くから伝わる習慣が受け継がれているという理由があげられます。以下で詳しくご説明していきましょう。
理由①着物文化
女性が腕時計を内側に付ける習慣は、日本の着物文化が大きく関係していると言われています。女性の着物には、脇の下辺りに身八つ口と呼ばれる口が開いています。これは、着物を着用する際に帯が胸の下まで来ることや、きつく締まることで腕を自由に動かせないという欠点があるために施されたものです。
腕の自由がきくことで、おはしょりや襟もとの調整を簡単に行うことができるほか、通気性も良くなり気温の高い日でも比較的快適に過ごすことができます。しかし、身八つ口から胸のあたりが見えてしまうというデメリットもあるため、できるだけ腕を上にあげないよう過ごすことが習慣となっていました。
この習わしが現在でも受け継がれており、腕時計を外側に付けると脇が自然と上がってしまうため、内側に付けて脇が締まっていても見やすいようになっているというわけです。ちなみに、帯を高い位置で締めるのは女性だけなので、男性の着物にこの身八つ口は付けられていないことから、女性特有の文化となっています。
理由②文字盤を隠すため
昔は腕時計の価格が他のものに比べて平均的に高価格であったため、高級品として認識されており、あまり周囲から気付かれないようさりげなく身に着けるものであったと言われています。
というのも、昔は女性が高級なものをあからさまに身に付けたり、周囲に自慢するような行為はご法度だと思われる傾向にあったため、一目で腕時計だとわかる文字盤を外側にして付けることはせず、控えめに内側で付けていたのです。
女性が腕時計を内側に付けるのは日本だけ?
海外では女性が腕時計を内側に付けている姿をほとんど見かけることはありませんが、日本以外の国でも腕時計を内側に付ける習慣があるのか、詳しく見ていきましょう。また、男性は腕時計を一切内側に付けることはないのかという疑問についても解説します。
内側に付けるのは日本人女性だけ?
基本的に腕時計を内側に付ける文化は海外にはなく、欧米を中心に男女問わず外側に付けるのが普通です。日本人女性は、古くからの着物文化が影響しているために、時計を内側に付ける方もいます。
男性は腕時計を内側に付けないの?
そもそも腕時計というのは、外側に付けることを想定して作られているため、内側よりも外側に付けたほうが見やすく使いやすいのです。文字盤が外側にあることでふとした仕草でも目につきやすいですし、視認性が高くなります。
また、日常的な動作の中で手首は外側に曲がるよりも内側に曲がることのほうが圧倒的に多いため、時計の側面についたリューズが、手首を動かすたびに当たってしまいます。特にメンズの腕時計は文字盤が大きめに作られているため、余計にそういった点が気になることでしょう。
このようなことから、男性は基本的に腕時計を外側に付けます。しかし、兵士や海兵隊など活発に動く職業の方は、文字盤が破壊されてしまったり、銃を構える際に内側のほうが見やすいという点から内側に付ける男性もいます。
内側か外側か?女性の腕時計の付け方は自由
腕時計は、内側に付けるも外側に付けるも個人の自由ではありますが、実際のところどちらの付け方をする女性が多いのか、また付け方によって印象も変わってくるのかなどについて詳しく解説していきましょう。
内側に付ける女性は減っている
現代の日本では、やはり着物といえば特別な時に着るものという認識であり、普段から着用している方はほとんどいません。そうなると時計を内側に付ける意味はあまりなくなってしまい、外側に付けたほうが何かと便利だと言えます。
また、腕時計はファッションポイントの一つとして積極的にコーディネートに取り入れたい、マストアイテムになっているということもあげられます。そのため、女性用でも文字盤の大きいデザインのものがたくさん販売されており、存在感もあるため非常に人気があります。
そして、こういったデザインのものはフェイス全体のデザインが非常に凝っていて、ファッションのアクセントにもなり得るアイテムだと言えます。こうなると、外側に付ける女性が圧倒的に多いのも納得でしょう。
また、昔は結婚すると夫が外に働きに出て、妻は家事をしながら家を守るといった風習がありましたが、今は女性でもバリバリ働く時代です。時計を内側に付けていると、パソコンで仕事をする際や書類を書く際などに邪魔になる可能性があります。
こういった昔と今の生活環境やファッションの変化から、腕時計を内側に付ける女性は非常に減ってきています。
付け方は人それぞれ
実際のところ、時計の付け方に決まりはありません。外側に付けても内側に付けても、特に違和感はありませんし、それぞれ違った雰囲気が味わえるというファッション的な楽しみ方もあります。
「親が内側に付けているから自分もそうなった」「腕時計は内側に付けるよう教えられた」など、その家庭ならではの習慣やマナーもあるでしょうし、逆にどちらの付け方もするという方もいるため、結局のところ腕時計の付け方は人それぞれです。
また、時計の付け方によって相手に与える印象や醸し出す雰囲気も変わってきます。例えば、大きな文字盤を持つレザーベルトの時計を外側に付けていると、個性的でアクティブな印象を与え、小さな文字盤と細いブレスレットデザインの時計を内側に付けると、大人でエレガントな印象を与えることができます。
ビジネスシーンではごくシンプルな時計を見やすいように外側に付ける方が多いと思いますが、普段のカジュアルシーンでは、その日の着こなしに合わせてつけ方を変えてみるのもおすすめです。
内側ではなく外側に付けたいレディース腕時計3選
ここで、ぜひ外側に付けたいこだわったケースデザインを持つ腕時計を、ブランド別にご紹介しておきましょう。気になるアイテムはぜひ詳しくチェックしてみてください。
①グッチ Gレクタングル
言わずと知れたイタリアの有名ファッションブランドである、グッチの人気コレクションGレクタングルの腕時計です。長方形のケースが特徴の非常にシンプルなデザインではありますが、よく見るとケースのフチをGの文字であしらっており、グッチならではの仕掛けだと言えます。
他にも12時位置にブランドロゴを施しているほか、3時位置にあるリューズにもGの文字が刻印してあります。シルバーブレスレットの高級感とケースデザインの存在感がポイントとなっており、きれいめな着こなしにもカジュアルスタイルにも合う、遊び心のある一本です。
②フォリフォリ S922 シルバー文字盤
ギリシャで誕生したジュエリーブランドであるフォリフォリから販売される、S922モデルの腕時計です。ジルコニアが散りばめられ、キラキラとしたケースデザインがゴージャスな印象を与えます。ベルトは付け替えが可能となっており、他のカラーで雰囲気を変えながら楽しむこともできます。
6時の位置にデイト表示があるため実用性も高く、フォリフォリらしいラグジュアリー感を持った個性あふれる一本となっているため、ファッションのアクセントとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
③マークジェイコブス ヘンリーレディース腕時計
アメリカのファッションブランドであるマークジェイコブスの、ヘンリーコレクションの一つです。もともとは、マークジェイコブスのセカンドラインであったマークバイマークジェイコブスの商品として販売されていたモデルであり、マークジェイコブスに統合されてから生まれ変わって再登場しました。
全てローズゴールドで仕上げた女性らしい雰囲気でありながらも、大きめのケースをあしらったジェンダーレスなアイテムとなっています。MARKのロゴとバーをミックスさせたインデックスや、ブランドを統合した際に新しく誕生した「Jマーク」がポイントとなる秒針デザインが特徴的です。
文字盤が大きい分視認性も高く、3時の位置にはデイト表示もあるため、実用性も備えています。全体的にはシンプルな構造となっているため、比較的どんなファッションやシーンにも合わせやすいアイテムです。
女性が腕時計を内側に付けるのには意味があった
なぜ女性は腕時計を内側に付けるのか疑問に思っていた方も多いと思いますが、日本の文化が影響しているということがわかりました。最近では文字盤の細かいデザインや、素材などにもこだわった数多くの腕時計が販売されているため、おしゃれの一つとして外側に付けて楽しむ方が圧倒的に多いでしょう。
しかし、内側に付けることでコーディネートとのバランスが良くなることもあります。例えば、着物や浴衣を着用している際はやはり馴染みやすいですし、パーティーなどドレススタイルの場面では、大人の色気を出せたり上品かつエレガントな印象を与えることもできます。
こういったことから、シーンやアイテムのデザインによって付ける位置を変えながら、様々な雰囲気を楽しむのがおすすめだと言えるでしょう。