世界中には多くの先住民族がいます。彼らは独自の文化的慣習を持ち、工芸品などは世界中で販売されるほど人気があります。しかし世界には未だに現代の文明との接触を拒む、未接触部族と呼ばれる人々も存在しているのです。今回は北センチネル島の未接触部族、センチネル族について詳しくご紹介していきます。
そもそもセンチネル族とは?
そもそもセンチネル族とはどのような民族なのでしょうか。外部との接触を頑なに拒むため、その真相は未だに謎に包まれています。まずは、そんな不思議なセンチネル族と、住んでいる北センチネル島について解説していきます。外部との接触を拒んできた背景にはどのような歴史があるのでしょうか?
センチネル族は北センチネル島の原住民
センチネル族はインド洋東部・アンダマン諸島に浮かぶ北センチネル島の原住民です。センチネル語を話し、独自の文化を築いてきました。食生活は、浜辺の浅瀬で見つけることが出来るココナッツや魚を主食としているようです。
肉類は北センチネル島に生息する亀や小型の鳥類を食すなど、狩猟生活を主な活動としており「石器時代の生活を維持する世界で唯一の民族」と評されています。地元政府によると、最も古い見積もりでは彼らセンチネル族は6万年以上前からこの島に住んでいたと言われています。
18世紀にイギリス人がこの島を発見し、そこから何度か接触を試みるもどれも失敗に終わりました。島に近づいた者に矢で攻撃する凶暴な民族としても知られており、不用意に島に近づくのは非常に危険です。
北センチネル島とは
北センチネル島の面積は約59平方キロメートルで、日本の三宅島(約55平方キロメートル)より少し大きな島です。
北センチネル島はインド領ではありますが、現在に至るまでインド政府は北センチネル島の人々と条約を結んでおらず、北センチネル島民が主権を握っている状態です。島に近づけず、正確な調査を行うことはできないので、人口などの細かい情報は未だに分かっていません。
センチネル族が起こしたとされる驚愕の事件
北センチネル島では、島に近づいた人間がセンチネル族によって殺害される事件が複数起こっています。この事件は世界中で報道され、大きな注目を浴びました。同時に北センチネル島が恐怖の島であるという印象が人々の中で広がり、今では絶対に行ってはいけない危険な場所の一つとして有名です。
事件①脱走犯の殺害
かつてインドがイギリスの事実上の植民地だった19世紀頃、インドの領地であるアンダマン諸島は、流刑地として刑務所が置かれていました。
1896年にその刑務所からの脱獄に成功した1人の囚人が近くの北センチネル島に逃げ込みました。捜索隊がすぐさま後を追いましたが、囚人は、弓矢で追われ喉を切り裂かれた無残な遺体で見つかりました。
事件②地元漁師の殺害
2006年、カニの密猟をしていたインド人2人が寝ていたところ、ボートが流され北センチネル島へ漂着してしまいました。その後2人は帰ってこなかったため、北センチネル島民によって殺害されたと考えられています。
インド政府は遺体を回収するためにヘリコプターを派遣しましたが、センチネル族によって攻撃され、遺体の回収は断念されました。