『オペラ座の怪人』と聞くと、古い物語でなんだか難しそうと思われる方も多いでしょうが、映画『オペラ座の怪人』は魅力が詰まっており、ミュージカルや小説よりも手軽に作品を楽しむことができおすすめです。
今回は『オペラ座の怪人』のあらすじや、キャスト、代表的な楽曲について紹介します。あらすじでは、ネタバレを含まないあらすじも用意しているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
映画『オペラ座の怪人』とは
映画『オペラ座の怪人』は、2005年に公開されたミュージカルロマンス作品です。アカデミー賞や日本アカデミー賞、ゴールデングローブ賞と伝統ある数々の賞にノミネートされており、監督は『フォーン・ブース』のジョエル・シュマッカーが手掛けています。
アンドルー・ロイド・ウェバー版ミュージカルの映画化
『オペラ座の怪人』は原作が小説で、小説をミュージカルで実写化し、ミュージカルを映画化した形なので、映画『オペラ座の怪人』はミュージカルの『オペラ座の怪人』に近いでしょう。
ミュージカルでは、イギリスの有名作曲家であるアンドルー・ロイド・ウェバーが手掛けています。その為、映画『オペラ座の怪人』もミュージカルに次いで、多くの名曲を含む歌唱シーンや、楽曲が見どころなのです。
原作はフランスの作家ガストン・ルルーの小説
映画『オペラ座の怪人』の原作は、フランスの作家ガストン・ルルーの同名小説です。ガストン・ルルーは小説家の他に、新聞記者でもあり、取材中にオペラについて勉強したり、実際にオペラ座に行った際に、オペラ座にまつわる幽霊について、実際に起きた事件を知ります。
そこで思いつき、執筆した作品が『オペラ座の怪人』なのです。小説の『オペラ座の怪人』はミステリーロマンス作品となっているので、気になる方はぜひ読んでみて下さい。
『オペラ座の怪人』の簡単なあらすじ
続いて、映画『オペラ座の怪人』のネタバレなしの簡単なあらすじを紹介します。19世紀後半のパリでは、オペラ全盛期で娯楽として人々に親しまれていました。ところが、劇団員の中で奇妙な噂があり、オペラ座には幽霊がいると言われています。
コーラスガールのクリスティーヌは、代役を見事勝ち取ったことで、幼馴染のラウルと再会しました。再会を喜ぶ二人でしたが、クリスティーヌは白い仮面を被った男と謎の失踪をします。
白い仮面の男は、クリスティーヌこそが自分の音楽を本当の意味で理解する女性で、自分の近くにいて欲しいと強い思い、さらってしまうのでした。
『オペラ座の怪人』結末までのネタバレあらすじ
続いて、『オペラ座の怪人』のネタバレを含むあらすじを紹介します。分かりやすいよう、物語を5つに分割して紹介していくので、ネタバレが気にならない方は、チェックしてみて下さい。
【ネタバレ】あらすじ①プロローグ
1905年、あるオークション会場では、舞台の小道具がオークションにかけられていました。猿のオルゴールを競り落とした老人の名は、ラウル・シャニュイ子爵です。すると、オークションを開催していた商売人は、オペラ座にまつわる不思議な物語を語り始めるのでした。
【ネタバレ】あらすじ②オペラ座の怪人の噂
時代は変わり19世紀後半のパリでは、富裕層の娯楽としてオペラが人気を集めているオペラ全盛期です。オペラが行われる劇場の中でも歴史あるオペラ座には、劇団員たちの中で、奇妙な噂がささやかれていました。
オペラ座の地下には、ファントムと言う幽霊が潜んでおり、オペラ座の芯の主なのだと言われています。しかし、ファントムの姿を誰も観たことがないので、噂止まりでした。
ところが、ファントムは実際にいる人物で、生まれつき顔の一部がひどくただれていたために、親に捨てられます。さらにその後、見世物として働かされていたファントムは、当時オペラ座で働いていたスタッフの協力の元、オペラ座の地下でひっそりと暮らしていたのです。
また、自身も顔のただれをひどく嫌っていたことから、常に仮面を装着していました。ファントムが地上へ上がることは滅多にありませんが、珍しく地上へ上がると、若いコーラスガールに恋をします。ファントムは一目ぼれしたコーラスガールのクリスティーヌに近づくため、歌のレッスンと称し話しかけるのでした。
【ネタバレ】あらすじ③歌姫と巻き起こる事件
クリスティーヌとの関りを持つために歌のレッスンを行うファントムですが、ファントム自身確かな音楽の才能があったのに加えて、クリスティーヌも才能の持ち主だったことで、各段に歌が上達していきます。
クリスティーヌが主演を務めるレベルまで達したことを確信したファントムは、オペラ座の支配人にクリスティーヌに主演役を渡すよう脅しの手紙を送りました。ところが、現在主演を務める女優は、機嫌を損ねると面倒なため、支配人はファントムの申し出を断ります。
強硬手段しかないと考えたファントムは、舞台古道の中に謎の薬を忍ばせると、主演の女優はカエルのような醜い声に変化してしまいました。主演の枠が空いたことで、クリスティーヌが代役を務めた舞台は見事大成功に終わります。
その成果から、今後の主役はクリスティーヌで続行することが決まり、すべてファントムの思惑通り進みました。ところが、新しい支配人として、クリスティーヌの幼馴染のラウルがやってきたことにより事態は一変します。
幼馴染との再会を喜ぶ二人は、すぐに距離を縮めていき、その様子を見ていたファントムは、堪らずクリスティーヌを自身の地下部屋にさらってしまうのでした。
【ネタバレ】あらすじ④連れ去られたクリスティーヌ
年末を迎えたクリスティーヌたちは、仮面舞踏会へ出席することになりました。クリスティーヌの相手はもちろんラウルで、ラウルは舞踏会で婚約を発表しようと持ち掛けます。
すると、突然ファントムが現れると賑やかだった会場は一変、注目の中「ドン・ファンを書き上げた。」と言い残すと地下へ消えていきました。主役はクリスティーヌでドン・ファンを製作したファントムをラウルは懸命に追いますが、後ろからマダム・ジリーが話しかけてきます。
マダム・ジリーの話によると、何年か前に移動式サーカス団が来た時、顔の一部がひどくただれた少年が悪魔の子として見世物にされていました。その悪魔の子と言われていたのが怪人ことファントムで、可哀そうなファントムをマダム・リリーがオペラ座の地下で匿ったのです。
一方、クリスティーヌは自身の状況に悩んでおり、父親の墓に来ていました。すると、いきなりファントムが目の前に現れ、自分こそが音楽の天使だと言います。そこで、後を追っていたラウルが駆けつけ、二人は決闘を始めるのです。
クリスティーヌの仲裁により決闘は中断されましたが、ラウルはファントムが作ったドン・ファンをクリスティーヌに演じさせ、舞台を観に来たファントムを捕まえる作戦を企てました。
数日後、厳戒態勢の中ドン・ファンが開幕します。シナリオ通り進行していく中、警備をかいくぐったファントムがいきなり舞台へ上がります。そして、クリスティーヌの相手役をし始めると、美しすぎる二人の姿に誰も止めに入れません。
ところが、クリスティーヌがファントムの仮面を外した瞬間、焦ったファントムはシャンデリアを落とし、オペラ座を焼き尽くします。その間に、ファントムはクリスティーヌを連れ地下へと降りていきました。
【ネタバレ】あらすじ⑤ファントムの選択
オペラ座を燃やしてしまったファントムを捕獲するため、地上では多くの糸人が捜索を始めています。クリスティーヌとファントムを追っていたラウルは二人の姿を見失ってしまいますが、マダム・リリーの案内を受けてファントムの地下部屋に向かいました。
その頃、ファントムはクリスティーヌにベールをかけ指輪を渡しますが、クリスティーヌは醜いのはあなたの顔ではなく、あなたの心だと拒否します。そこにラウルが到着し、クリスティーヌを放せと言いますが、ファントムの罠に寄り首に縄がかかってしまうのです。
ファントムは、ラウルを助けたければ、自分と暮らせとクリスティーヌに言及すると、クリスティーヌは騙されたのが辛かったと自身の想いを伝えます。そして、ファントムが孤独じゃないことを教えるために、そっとキスをするのです。すると、ファントムは涙しながらラウルを解くと、二人を開放しました。
ファントムがオルゴールの猿を眺めていると、クリスティーヌが指輪を返し、地上へと上がっていきます。そこに、捕獲隊が駆けつけますが、残されていたのは、猿のオルゴールとファントムの仮面だけだったのです。
時は現代に戻ります。ラウルはクリスティーヌの墓に着くと、落札した猿のオルゴールを置きました。すると、隣には指輪がはめられた赤いバラが置かれていたのでした。
映画『オペラ座の怪人』の主な登場人物(キャスト)
続いて、映画『オペラ座の怪人』のキャストを紹介します。こちらでは主要人物であるファントム・クリスティーヌ・ラウルについてプロフィールや設定、俳優を分かりやすく記載していくので、チェックしてみて下さい。
ファントム(ジェラルド・バトラー)
主人公のファントムは、ジェラルド・バトラーが演じています。顔の一部がひどくただれているため、親に捨てられ、その後、サーカス団に拾われますが、悪魔の子として見世物にされた辛い過去を背負っていました。
その後、マダム・リリーの協力の元、オペラ座の地下へと身を隠す生活を続け、ただれを隠すために仮面を常に身に付けています。また、高い音楽の才能を持ち、音楽の天使とも呼ばれていました。
クリスティーヌ・ダーエ(エミー・ロッサム)
ファントムが恋をしたクリスティーヌ・ダーエを演じたのは、エミー・ロッサムです。イギリス人のソプラノ歌手で、オペラ座の劇団員でもあります。また、元から音楽の才能を持ち合わせてこともあり、ファントムの指導により、オペラ座で主役を張れるほどに成長しました。
ラウル・シャニュイ子爵
クリスティーヌの幼馴染で、ファントムの恋敵であるラウル・シャニュイ子爵役は、パトリック・ウィルソンが演じています。ラウルは顔の整っており、性格も良いオペラ座の新しい支配人で、ファントムがないものをすべて手に入れている人物でした。
『オペラ座の怪人』の見どころ
続いて、映画『オペラ座の怪人』の見どころを紹介します。映画『オペラ座の怪人』は数々の賞にノミネートされた大作で、たくさんの魅力が詰まった作品です。2つの見どころについて詳しく記載していくのでチェックしてみて下さい。
見どころ①主要キャストの歌唱シーン
映画『オペラ座に怪人』は大ヒットミュージカルを映画化したミュージカル作品でもあるため、一番の見どころはやはり歌唱シーンです。有名な作曲家であるアンドリュー・ロイド=ウェバーが作った有名曲を歌唱しているので、知っている曲がないか注目して聴いてみましょう。
また、台詞の大半が歌で構成されているミュージカル作品なため、キャストたちの吹き替えなしで歌唱しているところもポイントです。
見どころ②劇中に登場するシャンデリア
ファントムがクリスティーヌに顔を見られたくないため、劇場に落としたシャンデリアも見どころとなります。こちらのシーンは、原作者のガストン・ルルーが、実際にオペラ座で起きたシャンデリア落下事件にインスピレーションを受けて、取り入れられたようです。
また、映画で登場したシャンデリアは1億2,000万円と驚異の価格で製作されています。スワロフスキーのアクセサリーブランドである、スワロフスキー社が4ヶ月かけて組み合わせた力作で、オペラ座の華やかさを見事に表していました。
さらに、1億2,000万円もかけたシャンデリアの落下シーンは一発撮りりの緊張の中撮影されたシーンでもあるのです。
映画『オペラ座の怪人』の代表曲
続いて、映画『オペラ座の怪人』に登場する代表曲を紹介します。ミュージカル作品において曲は作品の顔ですが、『オペラ座の怪人』の代表曲は、作品を観たことがない方でも耳にしたことのある曲でしょう。各曲流れるシーンについても記載していくのでチェックしてみて下さい。
代表曲①タイトルナンバー「The Phantom Of The Opera」
『The Phantom Of The Opera』は、映画『オペラ座の怪人』のタイトルナンバーです。作品を知らない方も聴いたことがあるほどの有名曲で、ギターやドラムも使っていることでロック調に仕上がっています。
劇中では、ファントムがクリスティーヌを地下へ誘うシーンで流れ始めるので、そこのシーンだけでも音量を上げて聴いてみて下さい。
代表曲②クリスティーヌが主役を掴んだ「Think of me」
『Think of me』は、クリスティーヌがオペラ座で主役を勝ち取った曲です。クリスティーヌが主役を勝ち取ったのはファントムの企みがあってこそですが、クリスティーヌ自身の歌唱力もとても高く聞き入ってしまいます。
代表曲③ファントムの思い「The Music of the Night」
『The Music of the Night』は、ファントムの熱い想いを表現した曲です。クリスティーヌを地下へ連れてきたファントムが、二人だからこそできる音楽の素晴らしさ訴えるシーンで流れ出します。
ファントムは地下のオルガンを使い天才的な作曲ができるため、クリスティーヌの美しい歌声と自分の曲が融合したら、完璧な音楽が完成すると考えていたのでした。
代表曲④ラウルとクリスティーヌの愛の歌「All I Ask of You」
『All I Ask of You』は、ラウルとクリスティーヌの愛が実るシーンで流れる曲です。しかし、こちらのシーンは、二人の幸せそうな姿を陰でひっそりと見ているファントムも映されており、視聴者は切ない気持ちにもなるシーンでもあります。
『オペラ座の怪人』は名曲揃いのミュージカル映画
今回は映画『オペラ座の怪人』のあらすじや、キャスト、代表曲について紹介しました。映画はミュージカル作品なので、作品を観る前にあらすじをチェックしておくと、内容が掴みやすくなるでしょう。不朽の名作である映画『オペラ座の怪人』をまだ観たことのない方は、ぜひチェックしてみて下さい。