世界的大ヒット映画「ボヘミアンラプソディ」内で聞いた歌声が気になったという方もいるでしょう。劇中では3人の歌声が使われましたが、そのうちの一人、マーク・マーテルの歌声が映画に華を添えていました。そこで今回は、マーク・マーテルはどんな人物なのか、そのプロフィールや活動などについて迫ってみます。
目次
マーク・マーテル(Marc Martel)とは
映画「ボヘミアンラプソディ」はイギリスのロックバンドであるクイーンのボーカルだったフレディ・マーキュリーを主役に、1970年のクイーン結成から1985年のライヴエイド出演までを描いた伝記映画です。劇中ではラミ・マレックがフレディ・マーキュリーを演じ、注目を浴びました。
映画を見た人なら気になるのは、劇中歌はラミ・マレックが本当に歌っているのかという点でしょう。劇中での歌声はラミマレックとクイーンのマスターテープ、そしてマーク・マーテルの声を合成して作られています。
マーク・マーテルの歌声は目をつぶって聞くと、まるで本当のフレディ・マーキュリーが歌っているのかと思うほどのそっくりさです。ここでマーク・マーテルはどんな人物なのかについてチェックしてみましょう。
プロフィール
マーク・マーテルは1976年11月16日生まれで、出身はカナダの ケベック、モントリオールです。マーク・マーテルは幼少期より両親の影響で音楽に慣れ親しんできたのだとか。マーク・マーテルはサスカチュワン州の大学Briercrest Collegeと、神学校に通っていたそうです。
セリーヌ・ディオンが涙した歌声の持ち主
マーク・マーテルがあるテレビ番組に出演し、クイーンの歌を歌ったところ、その場にいたセリーヌ・ディオンが感激して涙を流したのだとか。それほど、マーク・マーテルの歌声はフレディ・マーキュリーに通じるものがあったのでしょう。
これまでさまざまな歌声を聞き、普通の人以上に歌声の質に敏感だと思われるセリーヌ・ディオンが涙するということは、かなりのレベルなのでしょう。
歌手マーク・マーテルの経歴
マーク・マーテルはどうして歌手になったのか、どんな経歴を持っているのか、ここでチェックしてみます。フレディ・マーキュリーにそっくりの歌声はどのようにして世に知られるようになったのかがわかると、映画の見方も変わるかもしれません。
経歴①大学時代に結成したバンドが始まり
マーク・マーテルは1999年にルームメイトのジェイソン・ジャーメインたちと一緒に、クリスチャン・ロックを演奏するバンド・ダウンヒアを結成しました。
大学卒業後に、バンドはその拠点をテネシー州ナッシュビルへ移動、そしてWord Recordsと契約しました。10枚のアルバムをリリースしたものの、バンドは2013年1月1日に活動休止を発表しています。
経歴②バンド休止後ソロデビュー
バンドの活動休止後は、ミュージシャンとしての活動をやめることなく2013年にEP「Prelude」でソロデビュー。2014年にはソロ活動初のアルバム「Impersonator」を発表しています。

マーク・マーテルの歌声が採用されたきっかけ
マーク・マーテルの歌声は、確かにフレディ・マーキュリーを思わせるものですが、どのようにしてこの声が採用されたのか、そのきっかけが気になる方もいるでしょう。ここでそのきっかけについてチェックしてみます。
Queen Extravaganzaのオーディションに動画を投稿
マーク・マーテルの歌声が世界的に有名になった最初の一歩は、2011年9月、マーク・マーテルがクイーンの公式トリビュートプロジェクトであるクイーン・エクストラヴァガンザのオーディションへの参加したことでした。
オーディションに参加するためにマーク・マーテルがクイーンの楽曲「愛にすべてを」を歌唱する動画がYouTubeにアップロードされると、その再生回数は数日間で100万回以上を記録、2021年7月の時点で2200万回以上再生されています。
マーク・マーテルが歌う「Somebody To Love」
自室で撮影したと思われる、マーク・マーテルがのびやかな声で歌う「Somebody To Love」の動画は世界中の人々から注目され、まるでフレディ・マーキュリーが乗り移ったかのような歌声だと絶賛されました。
クイーンの映画で使われたマーク・マーテルの歌声
クイーンの映画でマークマーテルの歌声が使われていますが、どのように使われているのかチェックしてみましょう。映画を見る前に知っておくと、映画鑑賞をするときにより楽しめるはずです。
世界的大ヒット映画「ボヘミアンラプソディ」
映画「ボヘミアンラプソディ」はイギリスとアメリカで制作され、2018年10月にイギリス、翌月11月にアメリカと日本で公開されています。ラミ・マレックがフレディ・マーキュリー役を演じ、フレディ・マーキュリーとクイーンが手に入れた栄光やその裏にあった葛藤や苦悩について描いた映画です。
世界的な名声を手に入れたフレディ・マーキュリーでしたが、その陰には波乱に満ちた人生を送っていました。繊細でガラスのような心を持ったフレディ・マーキュリーだからこそ、歌に込められたメッセージが世界中のファンの心をつかんだわけですが、その繊細さゆえに傷つくことも多かったようです。
今も伝説として語り継がれるライブシーンは劇中でも再現されており、その映像と歌声は圧巻の一言に尽きます。クイーンやフレディ・マーキュリーのファンはもちろん、そうではない方も楽しめる伝記映画です。
現在50代の方であればリアルタイムで聞いていたかもしれないクイーンの音楽ですが、この映画をきっかけに実際にはクイーンを知らない若い世代もクイーンに注目したようです。
映画で使われた3人の歌声
映画「ボヘミアンラプソディ」で、主人公であるフレディー・マーキュリーの声に3人の声が使われています。フレディー・マーキュリー本人のレコーディングやライブでの歌声、そしてフレディ・マーキュリー役のレミ・マレックの声、最後に歌手マーク・マーテルの声です。
この三つの声をうまく合成し、劇中でのフレディ・マーキュリーの声を作り上げています。合成していると聞くと、どこか不自然な声を想像してしまうかもしれません。
しかし実際はとてもナチュラルで、まるで100%本物のフレディ・マーキュリーの声のように感じたという方が多かったようです。映画を鑑賞しながら、その歌声に耳を傾けてみましょう。
マーク・マーテルの現在
映画「ボヘミアンラプソディ」で一躍有名になったマーク・マーテルですが、現在はどうしているのでしょうか。映画で有名になってもその後の活躍が振るわず、一発屋として終わってしまう歌手も多くいます。ここでマーク・マーテルの近年の活動に焦点を当ててみます。
Queen Extravaganzaを離れて歌手活動
マーク・マーテルは2016年末までクイーン・エクストラヴァガンザに参加していました。その後、2019年5月3日から9月29日まで「The Ultimate Queen Celebration」として、世界中を回っていました。
2021年8月から2022年6月までカナダ、アメリカ、チェコ、ドイツ、スイス、ブラジルなどをめぐる「The Ultimate Queen Celebration」の世界ツアーに参加しており、ネットでチケットを販売しています。
残念ながら日本はワールドツアーに含まれていませんが、気になる方はツアー目的で海外を訪れるのもよいかもしれません。
YouTubeチャンネルにも動画を投稿
マーク・マーテルは2006年10月より自身のYouTubeチャンネルを開設しており、クイーンの曲をカバーした歌もたくさん投稿しています。
クイーンのカバー曲以外にも、敬虔なクリスチャンらしくクリスマスにはカトリックの楽曲をピアノで弾き語りするなど、レパートリーの広い曲が楽しめます。マーク・マーテルについて知りたいという方は、まず彼のYouTubeチャンネルをチェックしてみましょう。
2020年、コロナ禍でロックダウン中にはファンに向けてYouTubeとFacebookでオンラインライブも行い、SNSなどを使って精力的に歌手活動をしています。
その歌声を聞きながら目をつぶると、まるで本当にフレディ・マーキュリーが再来したかのように感じるかもしれません。更新は1カ月に1回程度と決して頻度は高くありませんが、過去の音楽動画なども併せて鑑賞してみるのもよいでしょう。
マーク・マーテルの歌声は人々を魅了する
今回は映画「ボヘミアンラプソディ」で響かせたその歌声で一躍有名人となった、マーク・マーテルについてご紹介しましたが、いかがでしたか?マーク・マーテルの歌声はフレディ・マーキュリーの再来ともいわれ、確かにその歌声はまるで同一人物かと思わせるほどです。
かつてクイーンのファンだったという方はもちろん、クイーンを最近知ったという方もマーク・マーテルの歌声は一度聞いてみる価値があります。今回の記事を参考にして、ぜひ一度映画「ボヘミアンラプソディ」を鑑賞して、歌声に聞き入ってみるのもよいでしょう。