ルイヴィトンのモノグラムといえば、誰もが知っている定番の柄ですが、どんな意味や歴史を持った柄なのでしょうか。誕生の背景や歴史、その魅力を探るとともに、今なお進化し続けるモノグラム柄アイテムについて詳しくご紹介しています。モノグラムの奥深さが再発見できますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ルイヴィトンのモノグラムのロゴの意味とは?
ルイヴィトン(LOUIS VUITTON)の頭文字、LとVの組み合わせ文字と、花と星を曲線をモチーフに作られた柄がモノグラムです。誰もが知っているルイヴィトンのモノグラム柄ですが、ここでは、その背景にある歴史や意味、アイテムへの展開のバリエーションをご紹介します。
定番のモノグラムは存在感があって安心できますが、斬新にアレンジを加えたモノグラムも素敵なので、ぜひ参考にして好みに合うアイテムを見つけてみてください。
モノグラムとは?
ルイヴィトンの人気シリーズ、「モノグラム」ですが、モノグラム(MONOGRAM)の本来の意味は、2つ以上の文字や記号を重ね合わせたり組み合わせたりして、1つの図柄としたもののことです。日本語では、「組み合わせ文字」と言います。
ルイヴィトンのモノグラムは、創業者の息子が、ひと目見ただけでルイヴィトンと分かる象徴的なデザインとして考案したもので、登場したのは1896年です。頭文字LVに花や星の模様を組み合わせて、モノグラムを開発しました。以来、実に100年以上ブランドの象徴として認知されています。
モノグラムラインのアイテムは、男性でも女性でも持てるので人気が高いという大きな利点があります。現在もさまざまなコレクションに派生・進化して展開され続けています。
日本の家紋が由来になっている?
ルイヴィトンのモノグラムについて、「日本の家紋が由来では」と主にインターネット上で流れているそうです。さらには「丸に十の字」の薩摩藩島津家の家紋から来ている、との噂もあります。家紋や紋章があるのは日本だけではなく、フランスの王家や貴族にもありますので、もっともらしい話しではあります。
真偽を確かめるためにルイ・ヴィトン ジャパンに問い合わせてみたところ、モノグラムのインスピレーション源が日本の家紋だという説があることは認識しているが、あくまでも諸説あるうちのひとつであり、断定はしていないとのことです。
モノグラム誕生時期とフランスにおけるジャポニズム全盛期が重なっているので、そんな噂がまことしやかに広まったのかもしれません。
モノグラムキャンバスとは?
モノグラムキャンバスとは、ルイヴィトンのモノグラムラインで使われている素材の名前です。モノグラムキャンバスは、一見革のように見えますが革ではなく、ベースに綿を使用しPVCをコーティングした、ヴィトンならではの素材です。
モノグラムキャンバスには革にはない利点が多くあります。柔軟性があり、防水性も兼ね備えています。また、表面に傷が付きにくく耐久性があるため、長年使用しても劣化が目立たず、きれいな状態を維持できるのです。
革ではないので価格も比較的控え目に設定されており、それでいて長持ちするというモノグラムキャンバス素材を使ったモノグラムラインは、ルイヴィトンの象徴的なラインとなっています。
ルイヴィトンのロゴの派生シリーズ
ルイヴィトンのモノグラムにはさまざまな派生シリーズがあります。素材に工夫を凝らしたシリーズや、モノグラムそのものに何かをプラスしたり色味を変えたりしたシリーズもあります。特に評判の高い派生シリーズをご紹介します。
ルイヴィトンのロゴシリーズ①モノグラム・ヴェルニ
モノグラム・ヴェルニは、1998年にマーク・ジェイコブスが発表したラインです。 ヴェルニは、フランス語で「エナメル」を意味しています。牛革の中でも価値が高いとされているカーフスキンに、つややかな質感のエナメルコーティングを施し、モノグラムが型押しされています。
その美しい光沢感と、今までのブラウン系のカラーリングとは一線を画す華やかな色の採用により、大ヒットとなります。特に、伝統的なルイヴィトンのデザインにはあまり興味を示さなかった、ファッショナブルでアクティブな女性たちから高い支持を獲得しました。
ルイヴィトンのロゴシリーズ②モノグラム・グラフィティ
アーティストのスティーブン・スプラウスと、デザイナーのマークジェイコブスのコラボレーションにより、2001年春夏コレクションに登場したのが「モノグラムグラフィティ」です。
定番のモノグラムにグラフィティ(落書き)をトッピングしたような大胆なデザインは、2001年と2009年に発売され、大ヒットしました。
定番のデザインだけにこだわらず、常に先進的、革新的なイメージを目指すルイヴィトンの姿勢を世間に知らしめることとなり、当時のファッション業界に衝撃を与えました。
キーポルやスピーディなどの定番バッグのほか、ジッピーウォレットなどの小物類、スカーフやTシャツにまでモノグラムグラフィティが展開され、現在もストリートファッション愛好者の間で人気となっています。
ルイヴィトンのロゴシリーズ③モノグラム・アンプラント
「アンプラント」とはフランス語で「刻印」という意味があり、カーフレザーにモノグラムを型押ししたモノグラム・アンプラントは2010年に発表されました。モノグラム・グラセやモノグラム・ヴェルニ、モノグラム・マットなどのいわゆる型押しラインの後継となります。
厳選した上質なカーフレザーを隅々まで美しく染色し、ミネラルなめし加工を施すことでさらに独特の風合いに仕上げています。そこへルイヴィトン伝統のモノグラムを型押しすることで、上品でエレガントなモノグラム・アンプラントが生まれます。
シックで落ち着いた佇まいのモノグラム・アンプラントは、さりげなく控え目にブランドを主張したい、大人の女性にぴったりなルイヴィトンのラインです。
ルイヴィトンのロゴシリーズ④スイート・モノグラム
2014年のバレンタインシーズンに限定コレクションとして発表されたのが、スイート・モノグラムです。モノグラム・フラワーをモチーフに、対比の鮮やかな2トーンで彩っており、遊び心に溢れた楽しいコレクションになっています。
上質なカーフレザーをエンボス加工するというオリジナルの工程により、モノグラム・フラワーという伝統的なモチーフを大胆にリフレッシュしています。
手にするだけ、見ているだけでも心が踊る楽しいデザインのスイート・モノグラムは、伝統的なルイヴィトンのイメージを超え、新しいルイヴィトンの世界観を創り出しています。
ルイヴィトンのロゴシリーズ⑤モノグラム・エクリプス
モノグラム・エクリプスは、2016年に発表されたメンズのためのラインです。ベースのブラックに溶け込むように配されたグレーのモノグラムが陰影を感じさせ、「日食」を意味するエクリプスの意味合いがそこに反映されています。
品があって落ち着いたしっとりとしたマットな質感が、大人の男性に好評を博しています。ストラップやベルトなどはブラック一色で統一されており、ビジネスシーンでも違和感なく活用できるデザインになっています。
偽物ルイヴィトンの見分け方はロゴに注目
人気の高いルイヴィトンですから、偽物も多く出回っています。昨今は偽物も精巧に作られているので見破るのは難しいのかもしれませんが、偽物を見破るためにはいくつかのチェックポイントがあります。
正確な鑑定はプロでなければ難しいですが、ポイントを押さえておけばセルフチェックでも見破れることがありますので、ぜひ、確認しておいてください。
偽物ルイヴィトン①ロゴのはみ出し
ルイヴィトンのモノグラムラインは、アイテムによって柄の配置はほぼ決まっています。本物は柄が上下左右シンメトリーになるように慎重に生地をカットしていますので、モノグラムの柄がきちんと収まっていますが、偽物は中途半端に柄がはみ出してしまっています。
偽物ルイヴィトン②ロゴの位置
モノグラムラインのアイテムは基本的に中央の留め具の上に真っすぐにVL柄が配されるようにデザインされています。当然のことながら柄が縫い目に重なったり、金具に隠れて欠けたりすることはありません。
また、バッグのフラップと本体の柄がずれないように計算されているのも特徴ですので、しっかり確認してください。
偽物ルイヴィトン③ロゴのプリントムラ
モノグラム柄のプリントの仕上がりにも注目しておくべきです。偽物は本物と比べるとプリント自体がハッキリしていない部分があり、柄のエッジが消えそうになっていたりします。本物のプリントは均一でムラがありません。
ルイヴィトンモノグラムのおすすめアイテム
いつも身近に置いて愛用できるシックなウォレットや、いつものコーディネートにスパイス的に投入すると効果的な遊び心溢れるポシェットなど、ルイヴィトンのモノグラムのおすすめアイテムをご紹介します。
おすすめ①モノグラム・アンプラント ジッピー・ウォレット ノワール
ジッピー・ウォレットはルイ・ヴィトンの最も象徴的な財布の1つです。ラウンドファスナー式で大容量のコンパートメントやファスナー付きの小銭入れ、複数のカード入れが備わった、実用的な財布です。
モノグラム・アンプラントラインのジッピーウォレットはカラーバリエーションが豊富なラインですが、その中でもノワール(黒)は、男女問わず使えますし、汚れも目立ちにくいので大変人気があります。
おすすめ②モノグラム ミュルティ・ポシェット・フェリシー
ワイルド・アット・ハートエディションにアップデートしたミュルティ・ポシェット・フェリシーは、モノグラムをアニマルプリント風にアレンジしたキュートでユニーク、しかも実用的なアイテムです。
ワイルド・アット・ハートは、ルイ・ヴィトンの代表的なバッグや財布などに秋色をまとわせたカプセルコレクションを指します。
メインのポーチにはスマホなどの身の回り品、スナップフックで簡単に着脱できるお揃いのカードホルダーには交通系ICカードや非接触型カードが収納できます。ストラップは長さ調節が可能なので、さまざまな持ち方が楽しめるのが魅力です。
おすすめ③モノグラム アニマル ウォレット
モノグラムをアニマルプリント風にアレンジしたワイルド・アット・ハートエディションのジッピーウォレットです。ラウンドファスナーを開いて中を見ると、仕切りが抽象的なレオパードプリントになっているという、遊び心に溢れたデザインです。
実用的かつ定番のジッピーウォレットに思い切った改革を施すという、ルイヴィトンのあくなき探求心を感じさせるアイテムです。
ルイヴィトンのロゴには歴史があった
1896年に誕生したルイヴィトンのモノグラムは、さまざまに派生、進化して今なお新鮮さを失わず、ブランドの象徴として活き活きと輝いています。
ルイヴィトンはオリジナルのモノグラムを尊敬し大切にしながらも、常に新しい表現で世の中に送り出し、その鮮度を維持し、さらには魅力を向上させています。
また、ルイヴィトンのアイテムは鮮度あるデザインだけでなく、丈夫で使いやすく、実用性が担保されているのも大きな特徴です。だからこそルイヴィトンは、世界中で知られる憧れのハイブランドとしての揺るぎないポジションを守り続けているのです。