近年「ADHD」という言葉を日常的に耳にするようになってきました。それに伴い、ADHDを持っていることを隠さず公表して暮らす方も増えてきています。そこで今回は、発達障害の一つであるADHDを持っている男性の恋愛傾向や交際しているときの対処法、付き合い方などについてご紹介します。
目次
発達障害の種類の一つ「ADHD」とは
メディアでよく耳にする「ADHD」ですが、一体どんな障害なのかわからないという方もいるでしょう。ADHDは「Attention-Deficit Hyperactivity Disorder」の頭文字を取った略称で、日本語では「注意欠如多動性障害」と呼ばれることが多いです。
このADHDは学童期に親が違和感を覚えて医療機関で診てもらい発覚することもありますが、最近は大人になってから自分で受診をして診断されるケースも少なくありません。
ADHDがあると、日常生活がスムーズに運ばなかったり、周囲の人が対応に困って戸惑う場面も多かったりするので、本人の自覚はもちろんのこと、周囲のサポートも欠かせません。しかしパートナーがその相手のADHDを理解して付き合えるのであれば、恋愛や結婚、家庭を持つことも可能です。
ADHD男性の恋愛傾向【大変な面】
恋に落ちた相手がADHDを持っていると、恋愛面ではどんなマイナス面があるのか、ここでは主に大変な面について5点チェックしていきます。ぜひ参考にしてみてください。相手が正式にADHDと診断はされていないけれど、普段から「もしかして」と思っている方も以下の恋愛傾向を確認してみましょう。
大変な恋愛傾向①物の管理が苦手
誰しも「あれどこに片づけたっけ?」と探し物をすることがありますが、ADHDの男性はこの傾向が特に強く、頻繁に探し物をしています。整理収納の本などで「物の定位置を決める」といったアドバイスが表記されていることも多いですが、ADHDの男性はその「定位置」を決めるのが苦手です。
そのため、あちらこちらに物を置いてしまうので、いざ必要になったときに場所がわからなくなるのです。結果、大切な物もすぐに失くしてしまうので、交際中に思い出の品を紛失し、幻滅してしまう事もあります。
ADHDの人の特性を踏まえ、一緒に住んでいる人や交際している相手が本人にも理解しやすい物の管理を考慮する必要があります。定位置を一緒に決めてあげるのもよいでしょう。一度決めた定位置をメモして忘れないようにするのも一案です。
大変な恋愛傾向②喜怒哀楽が激しい
ADHDの男性は、感情の自分軸が安定していないので、ちょっとしたことで感情がぶれやすく喜怒哀楽が激しい印象を周囲に与えます。本人も自身の激しい感情の変化に疲れてしまう事がしばしばあるので、周囲は広い心で見守ることが大切です。
特に交際相手の感情の起伏が激しいと、それにつられて泣いたり怒ったりするので、交際相手は感情表現が落ち着いたタイプがおすすめです。冷静な相手とであれば、ADHDの男性の感情も落ち着きやすくなります。
大変な恋愛傾向③依存しやすい
ADHDの男性は、誰かに心を寄せるとその人のことばかり考え、その人に依存しやすくなります。一途な恋をしているようにも見えますが、ADHDの男性の交際相手からすると、ずっと頼られている状態に陥るので、負担に感じることもあります。
ほかの女性に目を向けることはなくなるので浮気などの心配はありませんが、若干ストーカーのような付き合い方をしてくるので注意しましょう。恋愛中はひたすら自分だけを見ていてほしいという女性であれば、あまり負担に感じないかもしれません。
大変な恋愛傾向④じっとしていられない
ADHDの特徴としてよくメディアでも取り上げられるのが、この「じっとしていられない」です。これはADHDの多動性から来ており、座ってじっとしたり待ったりすることが大の苦手です。
会社の会議中、じっと座っているのが苦痛で爪を噛み始めたり貧乏をゆすりをしたり、しきりに手で顔や髪を触り始めたりすることも珍しくありません。体の一部を常に動かしていないとむず痒いような気持ちに襲われ、動くことを我慢できないのです。
じっとしていられないという特性から、休日などもゆっくりと休むのではなく、みっちりと外出予定を入れるケースも多いです。どれぐらいの時間であればじっとしていられるかは、このADHDの障害のレベルにもよります。
自分自身で耐久時間を把握している人もいればそうでない人もいるので、交際するときは気を付けるようにしましょう。「じっとして」などと注意をすると、それをストレスに感じてさらに動き出してしまうこともあります。
大変な恋愛傾向⑤気分で相手を振り回す
「今度の休日は一緒に海に行こう」などと約束をしていたにもかかわらず、当日になって彼氏が「やっぱり遊園地に行きたい」と言い出すこともあります。ADHDの男性は気の向くまま、感情の赴くままに行動したいという欲求があるので、事前に決めていた内容をその時になって覆してしまうケースも見られます。
デートの場合はそんな彼の気まぐれを理解するようにし、あなたも我慢ばかりせず、ときには自分のわがままを伝えてみるなど工夫してみましょう。交際相手が理解をし、受け入れることが大切です。
ADHD男性の恋愛傾向【良い面】
ADHDの男性との恋愛は、一見すると大変そうに感じるかもしれません。しかしその特性も考え方によってはポジティブにとらえることもできます。
ここではADHD男性の恋愛傾向の良い面についてスポットを当ててみます。これを読めば、気になるADHDの男性と結婚も視野に入れた、前向きで明るい交際ができるかもしれません。
良い恋愛傾向①刺激的で楽しい
これまで交際してきた相手とは、いつも同じような内容のデートで飽きてしまった、たまには刺激的な相手と付き合ってみたいと考えている方には、ADHDの男性は向いているかもしれません。
大変な恋愛傾向の一つでご紹介したように、予定を組んでいても当日になって気ままに行き場所を変えてしまうところがADHDの男性にはあります。それが普通のデートに飽きた方には新鮮に感じることでしょう。
感情の喜怒哀楽も激しいので、そういった点も女性からすると刺激的に感じるかもしれません。刺激を求める女性なら、ADHDがある男性はパートナーとしてきっと満足できる相手です。
良い恋愛傾向②リードしてくれる
ADHDがある男性は、自分なりのこだわりがとても強く、「こういうときはこうしないと」といった考えがはっきりとしています。それゆえに、あれこれと悩みがちな女性にとっては、男性のはっきりとした意見が心強く、リードしてくれるので助かることでしょう。
優柔不断な性格でなかなか物事が決められない、交際相手が決めてくれた道をついていきたいといったタイプの女性であれば、ADHDの男性が持つこういった特徴はポジティブに見えるはずです。
自分のことを常にリードしてくれる、はっきりとした意見を持った男性が好みであれば、きっと良い交際ができることでしょう。逆に、なんでも二人で話し合って、二人で決めたいといったタイプの方にはおすすめできません。
良い恋愛傾向③ストレートな愛情表現ができる
今までの恋愛では、相手の男性がなかなか気持ちを言葉や態度で表現してくれず、愛されている自信がなかったという方もいるでしょう。確かに男性の中には、愛情表現を恥ずかしがってせず、「わざわざ言わなくても通じているだろう」と考える人もいます。
欧米の男性は、比較的ストレートに愛情表現をするタイプが多いので、映画やドラマなどで憧れる方もいるかもしれません。ADHDの男性はその点どこか欧米男性に通じるものがあり、包み隠さずに自分の気持ちを表現する傾向が強いので、交際中に気持ちが高まると素直にそれを言葉や態度で表現してくれます。
そういった点は、女性からすると嬉しく感じるはずです。ただ本人の気持ちが乗っていないときは無表情になったり、ほかのことに夢中になったりするので注意しましょう。女性としては「彼は私について一体何を考えているんだろう」と、相手の気持ちを常に推測せずに済むので、付き合いやすい相手です。
ADHDの男性・彼氏との付き合いがしんどい時の対処法
ここまでの内容を読み、ADHDを持っている男性は、この障害がない男性と同じように長所と短所を持っていることが分かりました。しかしADHDがある男性は、うつ病や双極性障害などほかの症状を伴っているケースもあり、付き合いがしんどくなることもあります。
ここでは、実際にADHDを持っている男性と交際をスタートさせたものの、付き合うのが苦しくなったときにどんな対策を取ったらよいのかご紹介します。
苦しくなったらすぐに別れを考えるのではなく、一度以下の方法を試してみてください。それでも辛くなったときは、あなたの精神的な健康を優先させるために、別れを切り出すのも一つの案です。
対処法①一旦離れてみる
ADHDを持っている男性は、感情のコントロールが難しく、突然感情的になって激しく怒ることもあります。そんなときそばにいると、八つ当たりされてしまいあなたも苦しく感じることでしょう。
頭の中では彼の生涯を理解していたつもりでも、実際に心にもない言葉を投げかけられると傷ついてしまいます。そのまま無理してそばにいると、あなたのメンタルが弱ってしまうので、一旦離れてみましょう。
少し時間をおいて彼の感情が収まり冷静になれば、再び元の付き合いやすい関係に戻ることができます。彼の気持ちが荒れていると感じたら、別れるのではなく距離を開けてみてください。
正直に距離を開ける話をしてもよいですし、言いにくいのであればさりげなく仕事や家庭の用事を理由にほとぼりが冷めるまで様子を見るのが良いでしょう。
対処法②彼氏の特性だと思う
医学的には何の障害もないとされている人でも、待つのが苦手だったり落ち着きがなかったり、コロコロと意見を変えたりすることがあります。ADHDの特性を一つ一つチェックしてみると、実はどれも大なり小なりみんな抱えている部分であることが分かります。
ただADHDの人の場合は一般的には表面的に顕著に出ないそういった特徴が、強く表れてしまっているのです。もし、ADHDを持っている彼と喧嘩したりなにかむかついたりすることがあったら、「彼の特性だから仕方がない」とつぶやいてみましょう。
「どうして理解してくれないの?」と、相手の性格だと思うと腹が立つことでも、ADHDという個性を持った彼ならではの特性だと捉えれば、気持ちも落ち着きます。そしてそういった特性を含めて、再び彼への愛情が蘇ってくるはずです。
対処法③話をひたすら聞く
ADHDを持つ彼氏の話が止まらないといった場合は、話をひたすら聞いてあげましょう。ただ、一言一句真剣に耳を傾けていると、あなたが疲れてしまいます。ある程度は聞き流しながら、適度に相槌を打ってあげるようにしましょう。
相手はただ話を聞いてほしいだけであって、特に深刻なアドバイスが必要というわけではない可能性が高いです。特にADHDの男性は自分のしたい事や考えがはっきりとしているので、自分が考えている方針と違うことをアドバイスされても反発するだけです。
あなたが口を挟まずに傾聴していれば、彼の方も満足して話も終わります。話を聞いているそぶりを見せながら、ほど良く聞き流せる方法を日ごろから練習しておきましょう。
ADHDの男性・彼氏との上手な付き合い方
たまたま好きになった相手がADHDだった、現在付き合っている人がADHDの可能性がある場合、どうしたら上手に付き合えるのか気になります。ここでは付き合い方の心がけについてご紹介します。
理解を深めることが大切
あなたはADHDと聞いてどんな印象を持つでしょうか。よくわからないけれど目には見えにくい障害と答える方もいるでしょう。ADHDの人は一般的に注意力欠如、落ち着きがないといった症状が多いですが、その程度は人それぞれです。
相手にどの程度の障害があるのか、日常生活でどのような点を「難しい」と感じているのか、理解を深めながら付き合うことが大切です。よりよい関係を保つために2人で努力をすることも必要ですが、自力で厳しいと感じたら、医師などの専門家に相談することも重要です。
カウンセリングや薬などを使えば、障害のないカップルと同じような交際も望めます。また、これまで医師に相談したことはないけれど、彼氏の性格はもしかしたらADHDによるものかもと思うこともあるかもしれません。
そんなとき、彼氏と二人で医師に診断してもらうのも一案です。はっきりと診断してもらった上で、どうしたら今の関係を保てるのか新しい対策を立てることができます。
Instagramやnoteなどの投稿を読むのもおすすめ
ADHDの方は特に見た目に特徴があるわけではないので、周囲から理解されずに密かに苦しんでいるということも多々あります。また、その家族やパートナーも日々の生活の中で悩んだり工夫したりしていることはあります。
そういった体験談をInstagramやnoteなどに投稿している方も少なくないので、一読してみるのもよいでしょう。ADHDの男性をパートナーにもる女性の経験談を知れば、対策も立てやすくなりますしより理解も深まります。
ADHDの男性・彼氏と同棲や結婚する場合の注意点
ADHDの彼氏と同棲や結婚をする場合、いくつかの点に注意する必要があります。まず、物の場所を管理するのが苦手な人が多いので、カギや財布などの定位置を決めることが重要です。
ほかにも同棲や結婚をするとなると、生活費や家事といった問題が起きてきます。生活費はあなたが管理し、家事はあなたが片付けをする分、彼には洗濯や食器洗いをタオむなど、彼が苦手ではない分野で分担するようにしましょう。
すべてあなたが背負ってしまうといつか倒れてしまいます。大好きな彼と幸せな生活を長続きさせたいのであれば、ADHDの彼でも苦痛にならない範囲で家のことをお願いするようにしましょう。
ADHDの男性のことを理解して付き合おう
今回はADHDの男性についてご紹介しましたが、いかがでしたか?ADHDは発達障害の一つで、最近は大人になってから診断される方も増えてきました。大人になってから診断されると、本人もこれまでのモヤモヤに正式な診断がおりて安心する反面、生活面で戸惑うこともあります。
Instagramやnoteなどにもたくさんの体験談が寄せられているので、ADHDのパートナーと気持ちの良い関係を続けるためにも、参考にしながら2人の関係を工夫してみてください。