日本中でヒットしたアニメ映画、聲の形はどのようなストーリーなのでしょうか。この記事では、アニメ映画「聲の形」のあらすじや原作漫画との違いを徹底的に解説します。キャラクターごとの紹介もあるので、まだ聲の形を見ていない方も、一度試聴した方も、是非参考にして作品を楽しんでください。
映画『聲の形』とは
元々別冊少年マガジンや週刊少年マガジンで読み切りとして掲載されていた漫画「聲の形」が映画化されたのが、映画「聲の形」です。漫画の時点で反響が高かったため、読者の反応を受けて連載化されました。
京都アニメーションが制作を担当し、2016年9月17日に上映されました。上映館数自体は少なかったものの、評判が評判を呼び興行収入は23億円に達するなど、大ヒットを記録しました。
また、「第20回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞」「東京アニメアワードフェスティバル2017アニメオブザイヤーの劇場映画部門グランプリ」「第40回日本アカデミー賞の優秀アニメーション作品賞」などあらゆる映画賞・アニメ賞を受賞しており、各方面から高い評価を得た作品でもあります。
ネタバレなしのあらすじ
小学6年生のガキ大将・将也のクラスに、ある日耳の聞こえない女の子・硝子が転校してきます。将也は硝子をいじめ始め、クラスメイトもそれに加担して彼女をいじめるようになります。繰り返される悪質ないじめによって、ついに転校してしまった硝子。
それからしばらくして、将也はクラスメイトに裏切られ、一転していじめのターゲットになってしまいます。これをきっかけとして周囲から孤立して心を閉ざすようになった将也は、そのまま高校生になりました。ある日将也は、ある思いを胸に、かつて自分がいじめた硝子の元を訪れます。
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映画『聲の形』のネタバレあらすじ
ここからは、ネタバレを含む映画「聲の形」のあらすじをご紹介します。聲の形とは、まだ見たことのない方で、ネタバレは回避したいという場合は読み飛ばしてください。一方でこれまでに見たことのある方や、先にあらすじを知っておきたいという方は、ここで紹介するあらすじを参考にしてください。
ネタバレあらすじ①起
主人公は地方の都市に住む高校生の将也。将也はある日の朝、預金残高を全部おろして寝ている母親の枕元に置き、家を出ました。そして辿り着いた先の鉄橋で、欄干から身を投げ出し自殺を考えます。しかし、そこで彼の脳裏には小学生の頃の記憶がよぎりました。
それは小学6年生の頃、彼がいじめていた女の子の記憶です。ガキ大将として自由な日々を送っていた将也のクラスに、ある日耳の聞こえない女の子が転校してきました。硝子という名前のその女の子は、クラスに馴染もうと筆談用ノートを用意して周囲とコミュニケーションを図ります。
リーダー格の女子も最初は興味を持って接していましたが、すぐに関心を失い硝子を無視するようになります。一方、佐原という女子が硝子と関わろうとしますが。彼女もまたそれが原因でいじめられてしまい、すぐに転校しました。
将也は好奇心から硝子に接触を試みますが、何を言っても「ごめんなさい」と書いたノートを見せられるだけで、徐々に苛立ちを募らせます。やがて彼を含むクラスメイトは硝子をいじめるようになり、彼女の補聴器を捨てたり、筆談用のノートを池に投げ込んだりと、嫌がらせをします。
何をされても抵抗しない硝子に対し、ついに耳に怪我をさせてしまうという事故まで起こしてしまった将也。いじめは学校に知れることとなり、クラス会でいじめの首謀者として将也が吊し上げられることになりました。
一緒になっていた子供たちは全ての責任を将也に押しつけ、呼び出された将也の母親は補聴器の弁償代170万円を持って謝罪に向かいます。そこで、イヤリングを引きちぎられた母は耳に怪我を負ってしまいました。
それ以降、将也はいじめのターゲットになり、ある日池に突き落とされてしまいます。そこで見つけたのはかつて放り込んだ硝子の筆談用ノートでした。ある日誰もいない教室で机を拭いている硝子を見ると、彼女だけは変わらぬ穏やかな表情をしています。
無性に苛立った将也は、硝子に八つ当たりをするのですが、彼女も負けじと感情をあらわにし、取っ組み合いの喧嘩になります。その後すぐに、硝子は転向してしまいました。
将也は孤立したまま中学、高校へと上がり、ついには周りの人間の顔全てにバツ印がついているような錯覚を引き起こすようになります。
ネタバレあらすじ②承
バツ印が他人の顔についているように見えるようになってからは、誰が誰なのかも識別できない状態になってしまった将也。そのために人とまともに会話することもできず、高校3年生になろうとしていました。そんな苦しみの中、将也はかつていじめた少女への償いの気持ちから、手話を習い始めます。
最後に手話で彼女に謝ってから死のうと考えていた将也。ある日、手話教室で硝子に再会します。謝ろうと考えていたはずが、気がつけば「友達になって欲しい」と伝えていた将也に硝子は感激し、快諾します。
もう一つ、将也には死ぬ前にしようと思っていたことがありました。それは、補聴器の弁償代を母親に返すということです。バイトで必死に貯めたお金を渡そうとした将也でしたが、母親に自殺願望があることを見抜かれ、「こんなお金はいらないから死ぬな、死ぬならこのお金は燃やす」と説得されます。
将也は自殺をしないことを母親に誓うのでした。ある日、将也は公園で不良に絡まれていたクラスメイトの永束を助け、初めての友達ができます。一方、手話教室ではある少年が登場し、「自分は硝子の彼氏である」と言い張ります。
そして硝子に会わせないように仕向けようとしますが、将也を見つけた硝子はすぐに駆け寄ってきて、談笑をするのでした。その時、筆談ノートが池に落ちてしまい、将也は咄嗟に拾いに行きます。その様子がネットで拡散され、池に飛び込んだことで彼は謹慎処分となりました。
謹慎処分を受けていたある日、公園で例の少年にまた再会した将也は、彼が家出中であることを知り、家に引き取ります。そこで判明したのは、実は少年は硝子の妹の結弦であるということでした。最初は彼のことをよく思っていなかった結弦でしたが、彼の反省している様子を知り、徐々に受け入れます。
ネタバレあらすじ③転
硝子のために何かできることはないかと考えた将也は、硝子がかつて仲良くしていたクラスメイトの佐野との再会をセッティングします。久しぶりに再会し、話に花を咲かせる2人。その2人を見て、将也はどこか複雑な気持ちになっていたのでした。
一方、硝子は雅也への想いを募らせていき、ついに言葉で「好き」と伝えます。しかし、耳の聞こえない彼女の発音は不器用で、将也には「月」と聞こえていたのでした。「月?ああ、綺麗だね」という将也の返しに、想いが伝わらなかったと硝子は悲しむのでした。
佐野と再会したことがきっかけで、将也の周りには次第に人が増えていきます。小学校時代のクラスメイトの植野や新井とも交流が再開し、高校のクラスメイトの真柴からも声をかけられます。
少しだけ人の顔に見えたバツ印が取れていくのを実感する将也でしたが、自分の小学校時代を知る新井が周りにいじめのことを話すのではないかと疑心暗鬼に陥り、新井や植野の言動がきっかけで、また心を閉ざすことになります。そしてついには、仲良くしてくれた永束のことさえも拒絶するのでした。
ネタバレあらすじ④結
周りの人間との関係を絶った将也でしたが、一方で硝子とその妹、結弦との交流は続いていました。3人に加え、硝子の母とも食卓を共にするまでに親交を深めた将也。しかし、彼の態度は以前と比べてどこか違和感のあるものでした。
ある日、硝子の家族と花火大会を見ることになった将也は、その夜ベランダから飛び降りようとしている硝子の姿を発見し、引き止めようと腕を伸ばします。その反動で彼が代わりに落下してしまい、気がつくと病院のベッドにいました。
なんとか一命を取り留めた将也の元へ訪れた硝子から、自分が将也の幸せを奪ってしまったことに耐えきれず、自殺しようとしていたことを聞きます。そんな硝子に、将也は「生きるのを手伝って欲しい」とお願いするのでした。
ある日2人は文化祭を訪れ、永束らと和解、友人達が集います。さらにそこで落下した将也を救ってくれたのが、かつての旧友であり、自分をいじめていたクラスメイト達だったと知ることになりました。
集まった友人達に「文化祭を一緒にまわってほしい」と伝える将也。気がつくと、周囲の人々の顔からはバツ印が消え、周囲の音も鮮明に聞こえるようになっていたのでした。
映画『聲の形』の声優
映画「聲の形」では、声優さん達がそれぞれの登場人物を魅力的に演じています。ここでは登場人物とその担当声優について、詳しくご紹介します。誰が担当しているのかを知れば、より映画鑑賞が楽しくなるでしょう。
声優①石田将也/入野自由
主人公の石田将也を担当したのは、入野自由さんです。声優として数多くの人気作に出演している入野さんは、他に「ハイキュー!!」の菅原孝支役、「おそ松さん」の松野トド松役などを演じています。
今回演じた石田将也は、ガキ大将の地位が硝子と出会ったことによって一変し、孤独と自己嫌悪に追われながらの日々を過ごす高校生。そんな将也を演じるにあたり、入野さんは彼のイメージを「でっかいハムスター」と語りました。
大きな小動物が怯えているようなイメージという意味合いで、将也のことをこう捉えて表現したという入野さんの演技に注目してみてください。
声優②石田将也(小学生時代)/松岡茉優
小学生時代の石田将也を演じたのは、松岡茉優さんです。女優として活躍する松岡さんですが、今回声優としてのお仕事をするにあたっては不安が大きかったといいます。その上、将也という人物を「嫌な奴」と感じていたため、最初は感情移入もできなかったようです。
しかし、監督から「将也は私にとってヒーローなんです」と語られたことをきっかけに、苦手な人でも見方を変えれば誰かにとってすごく良い人なのかも知れない、と思うようになり、小学生時代の将也を愛すことを決意したといいます。
声優③西宮硝子/早見沙織
先天性の聴覚障害を持つ西宮硝子を演じたのは、声優として人気の早見沙織さんです。「魔法つかいプリキュア」のキュアフェリーチェ役や「賭ケグルイ」の蛇喰夢子役など、数多くの話題作に出演されています。
今回演じた硝子は聴覚障害を持つため、声を発する機会は少ないのですが、それだけにとても印象に残る役でした。
一般のクラスで積極的にコミュニケーションを取ろうとする健気さを持っていたり、内気でありながらも時には思い切った行動に踏み切ったりと、人間味のある女の子の役を、見事に演じ切っています。
声優④西宮結絃/悠木碧
大好きな姉のことを守るために、強い性格にならざるを得なかった硝子の妹、結弦を演じたのは悠木碧さんです。声優として第一線で活躍されており、代表作には「魔法少女まどか☆マギカ」の鹿目まどか役や「戦姫絶唱シンフォギア」の立花響役などが挙げられます。
「俺」が一人称のボーイッシュな女の子の役を悠木さんがどのように演じているのか、注目しながら鑑賞してみてください。
声優⑤永束友宏/小野賢章
マスコットキャラのような存在の永束友宏を演じたのは、俳優・声優としてマルチに活躍する小野賢章さんです。コミカルな言動は、登場人物の中でも一際癒しキャラとしてその存在を引き立てています。クラスで浮いている人物にも、マイペースな性格を生かして積極的に話しかけるなど、純粋な姿がみられます。
彼を演じた小野賢章さんは他に、「黒子のバスケ」の黒子テツヤ役、「文豪ストレイドッグス」の芥川龍之介などを演じています。永束は小野さんが普段演じているキャラクターとはまた違ったタイプなので、新しい演技が見られるそのセリフに注目してみてください。
聲の形のおすすめポイント
聲の形を視聴する際は、どのようなポイントを中心に鑑賞すると良いのでしょうか。初めて見る方にも、2回目以降の方にも参考にしていただける、聲の形のおすすめポイントをまとめます。鑑賞する際は、是非次のようなポイントに着目してみてください。
ポイント①映像美
まず一番に注目して欲しいのは、その圧倒的な映像美です。聲の形を作成した京都アニメーションは、その作画技術の高さで知られています。筋肉の動きや風に靡く髪の毛の様子、登場人物の仕草など、計算され尽くした作画は目を見張るものがあります。
また、山田尚子監督による実際の映像をベースにしてのぼかし技法も、この映像美をさらに高い水準のものへと仕上げています。
ポイント②いじめ?障害?を超た包括的なテーマ
いじめや障害など、目を引くテーマがこの作品の主題のように捉えてしまう方は多いでしょう。しかし、この作品において、これらの題材はほんの一要素でしかありません。実際には、人と人との気持ちのつながり、分かり合うための手段など、細かな心情描写が見られ、むしろこちらが主題と言えます。
ポイント③音楽
今作の音楽を担当したのは、graphとして活動する牛尾憲輔さんです。全体のストーリーを元に音楽を作成することで、場面に応じたサウンドトラックに仕上げたといいます。聲の形では聴覚がそのテーマの一つでもあるように、音楽にもこだわりを持って制作されているのです。
また、ノイズを一つのコンセプトとして制作されているため、作中の至る所で様々なノイズが聞かれます。それぞれのシーンで、どのような意図を持ってノイズが挿入されているのかを考えながら視聴してみてください。
映画『聲の形』と原作漫画との違い
聲の形は、映画と原作漫画で少々の違いが見られます。そこで、ここでは2つに見られる主な違いをまとめました。見比べながら作品を楽しんでみると面白いでしょう。
違い①原作は文化祭で映画作りをしている
原作では永束達が文化祭で映画の作成をしているシーンがあるのですが、これが映画では大幅にカットされていました。この際、小学生の頃イジメに加担していた担任の姿が見られるのですが、手話を覚えていることが判明するなど、反省していたのかも知れない、と思わせる描写がありました。
違い②原作では担任の先生の出番が多い
映画ではほとんど描かれなかった小学校の担任の先生ですが、原作では登場シーンがたくさんあります。先述したように、当時はいじめを止めることもせず、むしろ加担するような言動をとっていた担任の先生でしたが、後に思うところがあったようで、反省の色も伺える人物として描かれていました。
違い③キャラクターの描かれ方が違う
聲の形の映画と原作漫画では、何名かのキャラクターの描かれ方にも相違が見られます。まず、植野は将也のことが好きであったことから、原作では硝子に対し辛くあたります。
結局和解することもなく終わってしまいましたが、映画では献身的に硝子の世話をし、最後には和解をするなどといった違いが見られます。
また、映画では存在感の少なかった真柴も、原作では将也との関係を修復するために尽力するなど、過去にいじめられていた経験から積極的に行動する様子が見られました。
他に、学級委員長の川井も、映画ではセリフが少なく気持ちが読めないため嫌な人物に映っていましたが、原作では心情を言葉にしているため、その本心が伺えます。
映画『聲の形』原作漫画との違いを楽しもう
聲の形は、原作漫画も映画も面白く、それぞれに良さがあります。この記事を参考に、様々な視点から自分なりに聲の形を楽しんでみてください。そのストーリー展開の緻密さはもちろんのこと、映画で見られる美しい作画にも息を呑むはずです。