エルメスのエトゥープは、エルメスの豊富なカラーバリエーションの中でも人気の色の1つで、使われている素材によっても発色が異なり、見る人によっても感じる色が異なる繊細で美しい色です。
この記事では、そんなエトゥープの魅力や使われている素材、おすすめの人気小物などを紹介します。
目次
エルメスのエトゥープ(Etoupe)とは?
エルメスのカラーバリエーションは大変豊富で200色以上ある、と言われています。エトゥープは、そんなエルメスのカラーのひとつです。どんな色なのか詳しく見ていきましょう。
エトゥープの意味
エトゥープは、フランス後で「Étoupe」と書きます。意味は、「麻袋、麻の繊維」などの麻の色合いのことを言います。実際の麻の色よりは濃いめの色合いですが、麻の持つ自然の柔らかく優しい色合いが再現されています。
エトゥープはエルメスの人気色
エトゥープは、エルメスの豊富なカラーバリエーションの中でも人気の色の1つ。エルメスだけの色で、ブラウン、ベージュ、グレーが絶妙のバランスで組み合わされたような美しい色です。同じエトゥープでも素材によって発色が異なるため、自分の好みのエトゥープの商品を探す楽しみ方もできます。
エトゥープの魅力
エトゥープの色合いは、優しく温和でありながら高級感もあります。なじみやすい色なので、手に取ったときに安心感を得ることもできます。
ベーシックで上品な色合いなので、どの年代にもどのようなファッションにも似合い、長く使い続けることができる色です。どのようなシーンにもマッチしやすいので、使い勝手の良い色でもあります。
また、見る人の気分でも、さまざまな色合いを感じることができます。ブラウン系ベージュの色合いの中に、ゴールドやシルバー、レッドなどの色を感じる方もいます。
【エトゥープ】が映えるエルメスの人気素材の種類
エトゥープは上記でも触れたように、素材によって発色が異なります。エトゥープが良く使われている素材には、トゴ、トリヨン・クレマンズ、ボックスカーフ、カントリーの4つがあります。
おすすめ①トゴ(Togo)
トゴは雄の仔牛の皮で、エルメスの素材の中でも人気が高く、良く使われている素材です。表面に血管が通っていた跡の細かなシワがありますがバッグ1つ1つで異なっており、販売された年代によっても異なっています。
柔らかでしなやかな手触りですが、傷が付いたり型崩れを起こしたりしにくいのが特徴です。発色も良く、エトゥープの持つ優しくかつ、高級感のある色彩にマッチしています。
おすすめ②トリヨン・クレマンス(Taurillon Clemence)
トリヨン・クレマンスは雄牛の皮で、エルメスの素材の中でも最も柔らかな素材です。表面にトゴに良く似たシワがありますが、トゴよりも若干模様が大きめ。傷が付きにくく、耐久性が高いので長く使用できます。そのため、バーキンやケリーなどの定番商品や小物などに幅広く使われています。
おすすめ③ボックスカーフ(Box Calf)
生後3~6ヶ月の雄の仔牛の皮で、表面をクロム鞣し(合成剤を使って科学的に鞣す方法)を使って高級感や革の硬さを出しています。牛のレザーの中でも最高級品とされており、重量感や安心感がある素材です。表面がすべすべとしており、なめらかで手触りの良いのが特徴で、エルメスでは黒に近い「ショコラ」が人気です。
おすすめ④カントリー(Country)
主にトートバッグのガーデンパーティーに使用されている素材です。硬さや目の粗さがちょうど良い加減なので、日常使いのバッグに良く使われています。耐久性が高いので、ビジネスバッグとして使用することもできます。
【エトゥープ】のエルメス人気バッグ
エトゥープはどのような素材や製品にもマッチするカラーなので、人気のバッグにも多く使われています。そこで、ここではエトゥープのエルメス人気バッグを5つ、紹介します。
エルメスエトゥープ①バーキン(Birkin bag)
バーキンは1984年に発売され、瞬く間に定番商品となったバッグです。バーキンの由来は、歌手のジェーン・バーキンの名前から来ています。
バーキンは1981年にパリ発ロンドン行きの飛行機の中で、エルメスの5代目の社長であるジャン=ルイ・デュマ=エルメスの隣席となりました。
雑談中に、ジェーンが自分が求める理想のバッグについて語り、ジャン・ルイがスケッチに描いて職人たちと作り上げたのがバーキンです。
バーキンはジェーンの理想通り、マチが広く内部の仕切りがないため収納性が高く、出し入れがしやすいように開口部が広くなっているのが特徴です。フロントや背面部分にはポケットが付いているので、良く使うものはポケットに入れることができます。
蓋を被せて閉じる仕様になっていますが、蓋部分を中に折り込んでトートバッグのように使うこともできるのも特徴のひとつです。エトゥープはどのようなファッションや年代にも合うため、日常使いにもビジネスにも使うことができます。
エルメスエトゥープ②ケリー(Kelly)
ケリーは1935年に発売され、バーキンと並んでエルメスの定番商品となったバッグです。ケリーは、もともとは「サック・ア・クロア」と言う名称で販売されていました。
1955年に、妊娠中のモナコ公妃でるあるグレース・ケリーが、パパラッチの撮影から守るためにとっさに腹部をサック・ア・クロアで隠しました。その写真が雑誌の表紙となり、公妃が手にしていたバッグが一躍脚光を浴び、大人気となりました。
そこで1956年に、エルメス社がモナコ公国の許可を取って、バッグの名前を「ケリー」と改名し、定番バッグとして定着しました。
ケリーはステッチが表面に見ている「外縫い」と、ステッチが出ずに角が丸いフォルムをしている「内縫い」の2つの種類があるのが最大の特徴です。ビジネスやフォーマルなどかっちりした印象を求める場合は外縫い、柔らかで女性らしさを求める場合には内縫いがおすすめです。
また、ケリーは持ち手が1本なのも特徴のひとつです。台形型をしていて蓋を被せてベルトで開閉します。ショルダーストラップが付いているため、手持ちだけでなくショルダーバッグとしても仕様できます。
エルメスエトゥープ③ボリード(Bolide)
ボリードは1932年に発売された世界で初めてファスナーがついたバッグで、1920年に発売された「ブガッティ」と言う旅行鞄が前身です。
当時はバッグはケリーやバーキンなどに用いられているようにベルトを金具で留めるものが一般的で、蓋がないものも多くありました。バッグにファスナーがついたボリードは、中身が外に飛び出る心配がなく、防犯の点でも安心できるうえに半楕円形の可愛いフォルムをしているため、女性を中心に人気を集めました。
サイズが7種類もあり、無地で大きめのタイプは旅行用バッグやビジネスバッグとして男性が使用するケースも多くあります。
エルメスエトゥープ④ガーデンパーティー(Garden Party)
ガーデンパーティは「ガーデン」が意味するように、もともとは園芸で使われるスコップや剪定ばさみなどを収納するために作られたバッグです。1892年に販売されたこのバッグは、エルメスのカジュアルラインの王道と言われ、ケリーやバーキンに次ぐ人気を誇っています。
ガーデンパーティーは台形の形をしたトートバッグで、底だけでなく上部にもマチが取ってあるので、高い収納力があります。ワンボタンで開閉できるので、出し入れも簡単にできます。ディリーユースだけでなく、学生の通学バッグや、マザーバッグとしても使用できます。
エルメスエトゥープ⑤ ピコタンロック(Picotin Lock)
ピコタンロックは、2003年に販売が開始された比較的新しいバッグです。馬の餌を入れる袋を形取ったデザインで、可愛い響きのネーミングところんとしたキュートなフォルムが若い女性を中心に人気を集めています。
ピコタンロックは正方形に2本の持ち手が付いたシンプルなフォルムですが、見た目に反して収納力が高いのが特徴の1つです。一見カジュアルですが、上品で洗練された雰囲気も兼ね備えているので、シーンを選ばず使うことができます。
エトゥープの人気おすすめ小物
エトゥープはベーシックで上品な色合いなので、バッグ以外の小物にも多く使われています。ここでは、エトゥープの人気おすすめ小物を2点紹介します。
小物類①ノートカバー【ユリス】
ユリスは2002年に販売が開始されたノートカバーで、切りっぱなしにされたレザーをスナップで留めるだけのシンプルなデザインなので、その分素材をしっかり楽しむことができます。
素材は、ヴォー・トーゴと呼ばれる柔らかく繊細なシワが特徴の革が使われています。エトゥープのユリスは、上品で飽きが来ない色合いなので、年代問わず愛用されています。
小物類②チャーム 【クロシェット・クレ】
クロシェット・クレは、ヴォー・エプソン と呼ばれる雄の仔牛の革に細かい班(革目)が型押しされている素材で作られているバッグチャームです。中にリングが隠れていて、キーリングとしても利用できます。
エトゥープはグレージュの上品カラー
エトゥープは、グレーとベージュを掛け合わせたような繊細な色です。グレーやベージュの他にもシルバーやゴールド、レッドなどの色も感じられます。
あまり主張しない色ですが上品で高級感があり、ファッションや性別、年代を問わず使用できるため、大変人気があります。バッグでも小物でも1つ持っていると、飽きが来ず長く愛用できるので、エルメスを購入する時の最初の1つにおすすめの色です。